#在校生インタビュー#02丸山万莉絵#プロダクトデザイン
こんにちは!千葉大学デザインコース企画班の柴崎です。
今回は、在校生インタビューの第2回をお届けします。
少しの不安とともに一歩を踏み出す
いつもニコニコなまるまりに癒されています、インタビュアーの柴崎です!☀️
在学生インタビュー2回目は、顔より大きなパンをよく食べていたふわふわ天然少女まるまりにインタビューします。
穏やかさの中に隠れた強さを持っているまるまりに"潜って"みました。
人のためのデザイン
──なぜ千葉大のデザインコースに?
デザインって響きがいい感じがして(笑)
小さい頃から図工とか、自分の頭で考えて形にすることが好きだったから早いうちから千葉大デザインに決めていたよ。
あとは、入試科目に物理と化学があって、どっちも勉強したかったから。美とかアート寄りのデザインっていうよりも、頭を使ったデザインに興味があったの。
──とっている柱は?
プロダクトデザイン・コミュニケーションデザイン・トランスポーテーションデザインの3つ。プロダとコミュは3年間とっていて、2年の後期だけコミュじゃなくてトラポを取ったよ。
──印象に残った授業は?
HITACHIの掃除機のデザインを考える授業かな。授業のテーマが「プロフェッショナルのための掃除機」で、プラネタリウムスタッフのための掃除機デザインを考えたよ。
実際に現場に行って聞き込み調査をしたり、プロトタイプを作って検証したりして、何度もプラネタリウムに足を運んだの。最終作品も現場に行って検証して。その人の声に耳を傾けた、その人のためのデザインを学べたことが1つ印象に残っているよ。
↑プロトタイプで検証するまるまり
あとは、最終モックアップを実寸で作りこんだこと!3Dプリンターを使ってパーツを出力したから噛み合わせを考えて、実際に動かせるように頑張って制作したよ。PC画面上で作ったものが実際に現れたのは感動したなぁ。
表面を綺麗にするためにヤスリをかけて、塗装して……っていうのも単純作業だったけど楽しかった!(笑)
↑3Dプリンターで出力して、ヤスリをかけて、塗装したパーツたち
↑上下に動いて座席の足を乗り越えるヘッド
──その後のデザインに影響してる?
課題のインサイトを見極められるようになった気がする。その後受講したFUJITSUの授業で、Suicaのデザインプロセスが紹介されていたんだけど、
掃除機の先生が全然アイデアにOK 出してくれなかった理由がこの説明を聞いてやっとわかった気がした(笑)。
掃除機ではSuicaのような解決ができたんじゃないかと思っているよ。身をもってデザインプロセスを経験してたからこそ、他の課題でもインサイトが見極められるようになったと思うな。
↑掃除機のモックアップとまるまり
それぞれの柱は全部何かにつながっている
──トラポをとった理由は?
プロダでSEIKOの腕時計デザインを考える授業を受けてから、かっこいいカタチやスケッチに憧れてカーデザインの授業を受けてみようと思ってトラポを取ったよ。
──トラポで学んだことは?
トラポではCMF(*)に力を入れていて、世界観の合わせ方やプレゼンの魅せ方などが学べたよ。例えば色ひとつを決めるのにも、こういうユーザーに合わせてこういう理由があって、と決めていったよ。
──掃除機デザインの世界観すごいと思ってた!
ありがとう!トラポの世界観作りがここに繋がっていたのかもしれないね。掃除機は初めて自分以外の軸でデザインできたな。いつもはターゲットが自分に近かったけど、掃除機は本当にターゲットがいて、その人・その場に合った世界観が作れた気がしているよ。
全部何かには繋がっていると思うの。色々中途半端になってしまっても、必ず何かには繋がっているんだね。
”もやもや”はいい兆し
──何か工夫していることはありますか?
最近は伝えたいことを整理するために"頭の中のグラレコ(*)"をするようにしているよ。
頭の中のイメージを文章で説明するより、簡単な絵にした方が伝わることがあると思うから。
今はプロダクトスケッチよりもサービスを伝えるためのシーンスケッチとか、雰囲気を伝えるためのスケッチに興味があるよ。
──"頭の中のグラレコ"見せてください
もしも、今回の意匠展のテーマの”潜る”をデザインプロセスに落とし込んだらどうなるかを描いてみたよ。
↑意匠展のテーマ”潜る”のモヤモヤを描いてみた
まず潜る領域を空から探してみるけど、モヤがかかってよく見えない。それでもここかなってところにとりあえず潜ってみる。海中を泳いでみたり漂ってみたり、時には空中に出てみたり。そのうちに沈んでいる謎の浮き輪が見えてくる。それを手にしてどうにか水面に浮き出てみると、モヤが消えていて青空。みたいな。
──確かに、このグラレコはテーマにちゃんと潜ってるね。
もやもやすることが今まで嫌だったけど、もやもやしているってことは何か引っかかっているってことだから、そこに何かがある良い兆しだって思えるようになったよ。
前までは頭の中で考えているだけだったけど、自分が思っていることを伝えられたら嬉しいなと思って、
今は絵にするようにしているよ。アイデアを人に伝える手段として確立しようとしているんだ。
集大成になった卒業研究
※まるまりは留学に行く関係で、インタビュー時にもう卒研が終わっていました。
──卒研のテーマは?
Wordとかのデジタルドキュメントを作成する過程を可視化するシステムと、その表現を提案したよ。デジタルツールは手書きよりも早くて便利だけど、人が書いた文も機械的に感じちゃうよね。デジタルツールの強みを活かしながら人の存在を感じさせるものができないかと思って取り組んだよ。
──卒研を終えた感想は?
コンピュータなのに生物感がある。それがやりたいって思っていて、これが雲の下のモヤモヤだったの。最後できたものを振り返ると、ちゃんと真下に辿り着けたなって思うよ。やってる最中は何だろう…違うんだよなあ…とか思ったけど、段々モヤが晴れてきたのを感じることができた!
↑試行錯誤したプロトタイプ
プログラミングを使ったデジタルアートに挑戦してみたいと思っていたから技術力がついたのも嬉しかったなあ。
自分が楽しいと思えたから、続けられたんだと思うよ。
コロナに任せた留学?!
※まるまりは現在ポルトガルとイタリアに留学中です。
──留学の目的は?
日本と違う雰囲気を感じたかったからかな。
人とか街並みとか。留学の理由に、英語が話せるようになりたいっていうのもあるけど、日本人じゃない人ともコミュニケーションが取れるようになったら、カッコ良いじゃん! っていうのが単純な理由(笑)。せっかく大学院までいくなら、1年くらい海外で、千葉大じゃないところで1年過ごしても良いのかなって思ったの。
──不安はありますか?
正直こわい! 気持ちはトラポの授業を取った時と似ているかも。好奇心で決めちゃうけど、行きたい気持ちと不安な気持ちの二つに引っ張られているよ。コロナで中止になる可能性もあったから、私が留学に行くかどうかはコロナに決めてもらおうと思ったの(笑)。
──将来どんなデザイナーになりたい?
〇〇デザイナーになりたいっていうのはまだ決まっていなくて、人と違う視点で人が気づいてないところに気が付ける、人がちょっとHAPPYになれるサービス・アイデアを作れるデザイナーになりたいと思っているよ。
──本日はインタビューをありがとうございました。
楽しかったです!ありがとうございました。
(インタビュー・編集:柴崎真里)
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