初秋、ふれあいの里周辺の生き物たちの様子
今年も無事、夏が過ぎました。
こんにちは!ふれあいの里の今川です。
毎年このごろになると、ホッと一息つける時間もできてきて、今も、窓から入ってくるミンミンゼミの声を聴きながらこの文を綴っているところです。
こうして時々、ふれあいの里や周辺の自然について季節ごとに紹介していければと思います。
このシーズン、まだまだ夏の生き物たちも残っており、先日もタカネトンボが産卵場所を求めて食堂に迷いこんできたりしました。カマキリやハチはむしろこれからですね。
(メタリック緑が美しいタカネトンボ。ふれあいの里はもともと高嶺(たかね)小学校だったので、親しみを感じる名前です。)
学校の2学期が始まった子どもたちの声はパタリと少なくなりましたが、そうした山の中の自然の音は逆に今からしばらくの間が最も賑やかになります。
昼間は朝から日暮れ前まで、森が「ミィーン、ミンミンミンミー・・・」と蝉の声一色になっています。
街で賑やかなクマゼミはお盆を過ぎるとすっかり静まってしまいますが、山のミンミンゼミは9月の上旬にはまだまだ沢山鳴いています。
近くまで飛んできて一曲歌っては、またどこかへ飛んでいきます。併せてツクツクボウシの声もよく聴こえてきます。
(なかなか近くで見られないミンミンゼミ。銅像の後ろの梅の木にて。)
夜は夜で、秋の鳴く虫がピークを迎えてとても賑やかです。
かなり前になりますが、秋の虫を聴く観察会をここで開催した時、「あれが○○コオロギですよ!」と紹介しても多くの声が混ざりすぎて参加者のみんなが困ってしまうほどだったという経験があります。
「リーィリィリィ・・・」と木の葉の上で大きな声を響かせるのはアオマツムシです。歌に登場する「♪あれマツムシが鳴いている♪チンチロ・・・」のマツムシとは別種で、それに似た形をしていて珍しく緑色をしたコオロギの仲間です。
(丸太の灰皿にいたアオマツムシ。夜よく灯に飛んできます。)
次に目立つのは「スイーッチョ、スイーッチョ、・・・」とリズムよく鳴くウマオイの声でしょう。
正式にはハヤシノウマオイという名のキリギリスの仲間です。山間部の夏の夜の風物詩ともいえる鳴き声で、秋の初め頃まで聴かれます。
これらよりやや控えめに、裏のやぶの中から「ルルルル・・・」と低く続く優しい声が聴こえたら、愛好家の多いカンタンです。
少しキーの違うコガタカンタンと2種類が鳴いています。
このほか、落ち葉の下から「ビッビッビッ・・・」と聴こえたらモリオカメコオロギ、前の川原から「ピリピリ・・・・・・」と可愛らしい声が聴こえたらカワラスズです。
(澄んだ美声の持ち主クサヒバリ。とてもすばしこく葉の上を走り回ります。)
朝になると虫しぐれのメンバーも少し違ってきて、「リリリリ・・・・・・」とかすかでありながらとても澄んだ音色が、そこらへんじゅうを包んでいる時があります。
時には炊飯棟やトイレの中でまで響いていたりしますが、探しても声の主はなかなか見つかりません。これはクサヒバリの声です。鳥のような名前ですが、とても小さく可愛らしいコオロギの仲間です。
ふれあいの里の周辺で秋に鳴く虫たちは30種類ほどにもおよびます。これらの虫たち、9月の終り頃からは徐々に徐々に静かになってゆき、姿は見えなくても秋の深まりを感じさせてくれます。
これから近いうちにご宿泊の予定のある方!ぜひ賑やかな自然の音に耳を傾けてみて下さい!
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