[読書ログ]「こだぬきコロッケ」ななもりさちこ
「こだぬきコロッケ」
作:ななもりさちこ
絵:こばようこ
※ネタバレあり
絵柄のかわいらしさから手に取った一冊。
「たぬばけ道場のしはん」を親にもつ、こだぬきが主人公。人間が忘れていったコロッケをおおかみが見つけ、食べてみるとおいしかったのでコロッケを森の中で探していると、コロッケに似たこだぬきに間違って噛みついてしまう。こだぬきは人間に化け、おおかみは飼い犬を装って、人間の村までいってコロッケを食べにいくおはなし。
構成が見事。
コロッケと丸くなった時のかたちが似ているたぬきという選択。(きつねではなく、たぬきを選択したところに理由を感じていい)
こだぬきだけでは、人間の村の存在や行き方がわからないので道案内役、指南役が必要になる。そこで大人のおじさんとしてオオカミの登場。
人間に化ける設定から、「たぬばけ道場」の子どもとしての設定。
すべてが必要な設定としてかみ合っていて、無駄がない。
また、こだぬきのキャラクターとしてのかわいらしさ。オオカミの見た目と口調とは反する心のやさしさ。(コロッケをたぬきとはんぶんこしようと言われた時、きちんと半分にわけて、なおかつ自分の分からコロッケが元々忘れられて置かれていたバス停に戻しておいたので、自分の分が1個だけになってしまった)
そのあたりのバランスが絶妙でよかった。
これは小学1年生くらいのレベル感だろうか。
キャラクター同士が愛らしく、人気が出ればシリーズにもなるし、キャラクターの作り方も物語に必要不可欠なのだろう。
絵本をどんどん読んでいると、やっぱり作者の伝えたいこと、想いはほとんど読み取れないのがわかる。そのくらい影をひそめて、ただこどもの”おもしろい”にスポットを当てるのが良い物語のコツなのだろうなと思う。
ただ、この”おもしろい”がとにかく難しい。
次公募で出そうとしているのは、絵本テキスト大賞。
まだ話のタネも出来ていない。
昨日眠れなくて考えていたら、あたまがおかしくなりそうになった。
今月中にタネから発芽させる。
がんばろう。
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