白黒つけたいADHD~診断までの長い長いはなし
もしかしてわたしはADHD、かもしれない。その疑いを持って心療内科を受診する決意をしたところまでを、前回の投稿で書きました。
とはいえ、数ある病院医院の中で、自分に合った先生に出会うにはどうしたらよいのでしょうか。ここは慎重にいかねばならないところです。というのも、心療内科にはちょっとしたトラウマがありまして。前置きが長くなってしまうのですが、この一件も「ADHDかもしれないわたし」と深く関係していますので、少しお付き合いください。
コントロール不能な欲求
遡ること10年以上前、一度だけ、心療内科の門を叩いたことがありました。その時の主訴は「買い物依存症」。
とにかく物欲を抑えることができず、宵越しの銭は持てないし、マイナスに突入しても平気。何とかなるさ、と謎のポジティブシンキングを発動してしまう性質の持ち主…それがわたしです。この時すでに、債務整理(特定調停)を経験しており痛い目に遭ってもいるはずなのに、喉元過ぎると忘れてしまうんですね。実はこの傾向は今も変わっていないのですが、それはまた別の投稿にまとめる予定です。
当時はまだネットの情報も充実していなかったため、とにかく近所にあって、依存症に対応しているというだけで病院を選び、受診しました。
けれども先生の対応はごく淡々としたもので、何か明確な答えが得られるでもなく、検査などがあるわけでもなく、自助グループに入ることを勧められておしまい。一応その自助グループについての説明を聞きましたが、主に薬物依存の方のためのグループであり、わたしにフィットするものとは到底思えなかったのでした。
釈然としないまま、結局わたしは変われず、変わらず、金銭感覚の破綻した人として生き続けることとなります。
そもそも「買い物依存症」は、わたしの抱える問題とは形が違うような気はしていました。「買い物依存症」はプロセス依存で、買い物する行為そのものに目的が置かれます(ゆえに、買ったものを開封もせず部屋に溜め込んだりしてしまう)が、わたしの場合は本当にそれが欲しくて買ってしまうので、買ったら使います。
つまり、どちらかというと「欲求のコントロール不全」が問題であるという自覚はずっと持っていました。だからと言って、その問題に別の名前を付けることもできず、年月ばかりが流れてゆきました。
点と点が結びつく
ここで話は1年前、職場での居眠りを指摘された時点に移ります。
居眠りの原因としてADHDを疑いましたが、調べていると他にも思い当たるフシがありすぎるのです。そこからは松本清張もびっくりの点と線と点と線と点、自分にまつわるすべての謎が見事に繋がってゆきました。
例を挙げてみます。
・得手不得手の差が大きい
・気が散りやすい
・反面、面白さを感じると過集中して周りが目に入らない
・気が利かない(臨機応変に、察して動くことが苦手)
・常に何か考えている、妄想好き、頭の中が多動(!)
・いつも何かワクワクする対象を持たないと気が済まない
・カクテルパーティー効果が働かない(聴覚に異常はないのに、屋外などで人の話が聞こえず何度も聞き返す)
そして何より、いつも周囲に馴染めないと感じていたこと。14歳くらいまでは内向的ながらも変なところで自己主張するタイプだったのでかなりいじめられましたし、いじめる側にもなりました。ハイライトはハーモニカをトイレに捨てられたとか、プールに誘われて待ち合わせ場所に行ったのに誰もいなかったとか、そういうやつでしたね…。あれは本当に悲しかった。いじめる側としてはもう、気に入らないから暴力に訴えるみたいな…(ごめんなさい)。我ながら、大人しいのか荒くれ者なのかわかりゃしません。
高校で美術選択クラスになってからは、マイペースで個性的(いわゆるオタク気質)な子が集まっていたおかげで、初めてグループの一員になれて楽しい学校生活を送れるようになりました。
そんな生い立ちもADHDの特性と深く関わっているように思えて、調べれば調べるほどに、いわゆる「生きづらさ」、自分で自分を困難へと追い込むような行動の癖などが、全てADHDの一点に収斂してゆくように感じました。
それはショックというより、安堵の気持ちをもたらすものでした。
みんなと同じになれない。みんなのように振る舞えない。人の期待に応えられない。
それは、わたしの人格上の欠点ではなく単に「特性」だった、そう受け止めることで少し楽になれたのです。
主治医を見つける
幸いにして、今はネットの情報が本当に充実しています。
ADHD関連の本を出しているような著名な先生は予約を取るのも難しいので、口コミサイトを読み込み、合いそうな先生を探しました。
条件は、とにかく優しく話を聞いてくれること。依存症外来の時のような冷たい対応を取られたら立ち直れないと思ったので、口コミに少しでも「怖い」とか「高圧的」とか書いてあったら絶対NG。ようやく見つけた先生は、口コミ通りの穏やかな方でした。よかった…。
初診の後、日を改めて検査とカウンセラーによる問診を経て、最終的に出た結果は
「数値的にはグレーゾーンだが、医師・カウンセラーの所感としては不注意優勢型ADHDで間違いない」
という、なんとも不思議なものでした。
例えば「列に並んでいられない」といった困りごとがないので、典型例とは言い難いのだとか。
それでもわたしの切実な困りごとの数々を聞いて診断をつけてくれた先生に感謝です。
そして、いよいよ薬(コンサータ)の服用をはじめることになりました。
次回はコンサータ服用でどう変わったか、服用1年を経た現状などについて書いてみたいと思います。長々お読みいただき、ありがとうございました!
記事が少しでもお役に立てればうれしいです。サポートをいただけましたら尚うれしいです!ありがとうございます:-)