見出し画像

月1カジュアルゲームについて


Stray Tails、ナナメループと二ヶ月連続でリリースしてきました。
このペースで出せるネタもあと2〜3本はストックがあります。

至れり尽くせりのリリースまで月1ペースを継続するつもりだったのですが、しばらく中断することにしました。

Google Playtime 2023について

後で話題を戻しますが、昨日イベントに行ってきました。

結論から書くと、かなり良かったです。

学びがあった、刺激になった、という点でお釣りが来るほどメチャクチャ良かったですね。

イベント中に唯一、自分が場違いではない、この場にふさわしい人間なのだと思えた瞬間は、基調講演のスライドにヒュプノノーツのアイコンがあった時でしたね。

one of them


「Google Playにはこんなバラエティ豊かなアプリがありますよ」的に120個ぐらいのアイコンが並んでおり、AbemaTVの隣に魔法少女マッチがいました。(何かの賞に選ばれたわけではないです)

役に立ったこと

最もインディ開発者に即物的に役に立ったトピックは、Play Consoleで確認できるANR(Application Not Responding)の率はマジで気にしたほうがいい、ということです。
よく落ちるアプリは明確にペナルティをもらいます。

あまり役に立たなくて面白かったこと

大手ゲームメーカーの主力タイトルの指揮を取るクラスの人のセッションで、司会のGoogle社員の方から「あなたがたの会社は世界的に強いIPをお持ちですが、仮にIPを持たない立場だったら今の市場にどのような勝ち筋を見出しますか?」という質問がありました。
めっちゃいい質問だなーと思い、どう答えてくれるのか期待しましたね。
その回答がざっくり言うと「数年かけてIPを育ててください」で、面白かったです。

さらに役に立たなくて面白かったこと

列に並んでいる時に近くにいた、大手広告代理店出身で前職ではこういうイベントを手掛けていたという人が、同行者と費用感について話していました。
全部で1500万ぐらい、うち会場代は600万ぐらいじゃないか、ということでした。
参加者は500名ぐらいだったと思われるので、1人あたり3万程度の計算になります。同行者は「意外と安いな」と言っていました。私も同感でした。

他に良かったこと

スピーチする河野太郎さんを見ることができました。

以前のGoogleのイベントにも自民党の衆議院議員が来ていたので、大物政治家が顔を出すというのは珍しくないのでしょう。

河野太郎さんのスピーチは、今までに生で見た中で最高のクオリティでした。
当然カンペなどなく背筋も伸びてハキハキと自信に満ちあふれており、編集した映像かと思うような生の人間でしたね。
アルコールが入り始めた客に合わせて2、3個リップサービスを入れて、皆を笑わせてくれました。

政治家のスピーチにはリップサービスが求められる、むしろリップサービスこそが見せ場なんだということがわかりました。
かなり高度なバランス感覚が必要です。芸人に求められる資質と似ているでしょう。
そりゃあ、もっと年を召したおじいちゃんなら失言も飛び出すだろうなと。
河野太郎さんはきっちり会場を沸かしつつ、隙はなかったです。

以前のイベントもそうでしたが「政治家の◯◯が来る」というのは事前に知らされずプログラムにも記載はなく、なぜかディナー会場だけ持ち物検査があって、いきなり現れました。
そういうものなんですね。
権力の姿を見てくると比喩のつもりで書いたけど、そのものを見ました。

今のネットワーキングディナーってこんな感じなんだな、ということもわかりました。
もろもろ「だいたいこんな感じだろう」と思っていたことと大差ないにせよ、自身の経験として見たので解像度が上がりました。
いつかシナリオを書く時の足しになるかもしれません。

帰途

大手メーカーから5〜10名ぐらいずつ参加していたようです。
有名大学を卒業して真っ直ぐにキャリアを積んでいたら、こういう場所で他社にも同期がいるんだろうなあ。
私は自分のいきあたりばったりな人生にかなり納得しているつもりですが、スタンダードを突き詰めたハイスペック醤油ラーメンのような生き方もやっぱり大変で実は結構面白いのかもしれないなと近年思います。

ともあれ何者でもないインディー開発者の立場で一人で行った身としては、無力感と疎外感がありまくるイベントでした。

覚悟の上で参加しました。
むしろそのために行きました。

脳科学だったか心理学だったか曖昧だけど、人間には「不快感を覚えることで本気を出す」性質があります。
楽な環境にいると脳が怠けてしまいます。

場違いなイベントに参加する刺激によって、背水の陣のバフを得るつもりで行きました。

狙っていた以上に危機感を覚えて、帰りの電車では「このままではダメだ。手持ちの経験、知識、技術、ネタを組み合わせて勝ち筋をひねり出してEminemのごとくone shot, one oppotunityに全てを賭けなければ俺は脱出できずに死ぬ」みたいに脳が錯覚していました。
そこから脳がずっと働き続けて、寝る前ぐらいに「あ、これは行けそう」みたいな光が来ました。

それで今後のリソース配分を見直した結果、月1カジュアルゲームを中止することにしました。

今後ともご期待よろしくお願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?