見出し画像

インディゲームのプロモーションの4つの前提

最近学んだことのまとめ。
ゲームキャストさん主催のDiscordのイベントでリュウズオフィス小沼竜太さんの講演があり、大変ためになりました。
小沼さんは 伝え方は「順番」がすべて 分単位のコミュニケーションが心を動かす というゲームのプロモーションに関する本を出しており、発売された当時に私も買って読んでいました。

以下は自分なりの解釈なので「いや違うよ」という話もあるでしょう。
良い部分は講演者に帰属し、間違っている部分の責任は私ということでお願いします。


前提1. Steamで出す

プロモーションの人にとっては当たり前すぎて、「基本的なこと」を話すと銘打っていても言及すらされない。

『インディゲーム』というジャンルで『プロモーションの勝ちパターン』らしきものが現時点で存在しているのは、Steamだけなのだと思われる。

まずSteamで人気になって、それから他のプラットフォームに波及する、という流れが想定されている。

Steam以外のプラットフォームから成功する小規模なゲームはもちろんあるだろう。
それらは『脱出ゲーム』『ツクール作品』『同人ゲーム』『フリゲ』『レトロゲーム風』『◯◯の二次創作』『◯◯向け』といったジャンルそれぞれの勝ちパターンで成功している。
売れてから広義のインディゲームを名乗るのは自由。

『インディゲームらしいインディゲーム』『他の強いジャンルに属さないインディゲーム』をヒットさせたいなら、まずはSteamを軸に考える必要があるようだ。

前提2. アクションアイテムを用意するまでSNSに書くな

「今すぐダウンロードしてね」
「ウィッシュリスト登録よろしくお願いします!」

みたいな次の行動とセットでなければ、情報を出す意味がない。

数年前なら、SNSで情報を小出しにしながら「フォロワーの皆さんと一緒に作っている雰囲気」を出していくやり方も通用したが、最近はあまり成功例がないらしい。

進捗に『いいね』をもらってモチベーションを維持? 本気で売りたいなら我慢だ。
(アクションアイテムを用意した後は、むしろしつこいぐらいに投稿すべきなのでしょう)
(それまではクローズドなグループチャットとかが良いのかもしれませんね)

前提3. 外国語に対応しろ

「Steamに出す」から自然に導き出される結論。
Steamには

・外国人が多い
・ウィッシュリスト登録数が多ければ多いほど、さらに雪だるま式で増える

という特性がある。
最終的な売上が日本メインになってしまうとしても、外国人に興味を持ってもらいウィッシュリスト登録数ぐらいは稼ぎたい。
日本語のみだと、高難易度の縛りプレイになってしまう。

前提4. Xで告知する

これも言及すらされないが、Xには以下の特性がある。

・メディア関係者の情報収集手段として使われている
・Steamユーザーも使っている

プレスリリースの有効性は年々下がっているとのこと。
現在は、送らなくても問題ない。(ダメ元で一応送ってもいい)

Xで告知して、メディア関係者が拾ってくれるのを願うことになる。
メディア側の都合や事情を考えてポストしなければならない。

重要な関係者に見逃されない程度にXのアカウントを動かしつつ「アクションアイテムを用意するまでSNSに書くな」というのは、作っているゲームが第一作目の人にはしんどいかもしれない。

前提のまとめ

最初に情報を出す(タイトルを発表する)前に
・Steamストアページ(動画、キービジュアル、画像素材多数)
・X告知用の動画
を用意する。
英語や、できればその他の外国語にも対応する。(動画も多言語対応)

それから忘れ去られないうちにリリースする。

以上を最低限の前提としてこなした上で「どういう動画を作ればいいか」みたいな技術論に入れる。
(そちらが講演の本題でした)

感想


きついっすね。

「売れる・売れない」を考えていると、そもそも「面白いゲームをちゃんと完成させるだけでもメチャクチャ大変」ということを忘れそうになります。

でも「面白いゲームを作ること」こそが、毎日ゲーム制作者が真剣に向き合っている真の戦いなんですよね。

プロモーションが制作の工数を圧迫してくる、というのはシリアスな問題です。

専業やチームならまだいいけど、一人で副業だと無理ゲーの気配すら漂います。

とはいえ「売れなかったら次を作れないだろう?」と言われれば、返す言葉はない。

「インディゲームらしいインディゲーム」を作っているなら、覚悟を決めてやるしかないでしょう。
あるいは、覚悟を決めてバッサリ何もやらない。リリースまでXを開かないというのも良いかもしれません。

もし他のジャンルで戦うにしても、ジャンルごとにそれぞれ勝ちパターンもしくは作法があるんでしょうね。
ちゃんとリスペクトして調べて適応していきたいものです。

アクションアイテム

ゲームキャストさんのDiscord

小沼竜太さんの著書

石乃浦骨董店を応援してくださる方は、noteかXでフォローよろしくお願いします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?