第20章 ポピージャスパーの守護者 (Poppy Jasper) ～身体を活発にする「石の精霊の叡智」Michael Katz (著)
濡れた洞窟の中央に、何の前触れもなく焚き火が現れた。この奇妙な焚き火は煙を上げることもなく、洞窟の壁に炎が映ることもなかった。ただ静かに輝き続け、洞窟全体をくっきりと照らしていた。ソーダライトの守護者は、この火に全く関心を示さず、むしろそれはポピー・ジャスパーの守護者を呼び出す合図のように思えた。
再び、形のないエネルギーの渦が私の数メートル先に現れた。その渦がレパード・スキン・ジャスパーの渦とは反対の方向に回転していることに気づいた。私はその渦の中に飛び込み、深く息を整えた。新しいエネルギーが体全体に満ちてくるのを感じたが、それ以上に知覚が大きく変化したことに驚いた。今では、洞窟の壁はもはや岩に見えず、むしろ生きていて私の体の一部のように感じられた。マイケルとソーダライトの守護者の姿も、以前とは違った風に見えた。彼らの輪郭は曖昧でぼんやりとしていたが、その身体が水と鉱物の塊として認識できるようになった。そして、それぞれの体の中に、生命を灯すかのような、凝縮された眩い光のコイルが脈打っているのが見えた。その光こそが魂だと私は確信した。
その瞬間、私は心を落ち着け、耳を澄まし、ポピー・ジャスパーの守護者の言葉を伝える役割を果たしたいという衝動に駆られた。
すべてのアースストーンやジェムストーンは、地球が必要とする役割を果たすプロセスに関わっています。私たちの関係は、まるで身体の臓器同士の関係のようで、皆が一つの目的のために協力し合っているのです。私たちは全員、地球という全体を構成する要素であり、その機能を維持するためには、どの一つも欠かすことはできません。あなた方の臓器が互いに連携し合っているように、私は地球が誕生したときに生まれ、地球の一部として存在しています。この点で、ほとんどのアースストーンは似たような役割を持っていることがわかるでしょう。
私はレパード・スキン・ジャスパーの「従兄弟」とも言える存在です。私の仕事は彼の仕事に倣ったもので、この惑星に「アドレナリン」に相当するエネルギーを供給することです。アドレナリンが分泌されると、仕事がはかどることがあるでしょう。それは、多くの場合、興奮や喜びによるものであり、私たちに前進する力を与えてくれます。また、困難な状況を乗り越えるために、必要以上のエネルギーをもたらしてくれることもあります。こうした余分なエネルギーは、レパード・スキン・ジャスパーが必要だと判断したとき、私が地球に提供しているものなのです。
私はレパード・スキン・ジャスパーほど地球上に広く分布しているわけではなく、私が見つかる場所も限られています。ちょうど、心臓が体全体に散らばっている必要がないのと同じように、私が地球全体に均等に存在する必要はありません。地球には、いくつかの主要なポピー・ジャスパーの鉱床があれば十分なのです。地球の循環系は、必要な場所へ私の波動を分散してくれます。この循環システムは、磁気の流れに沿ったラインで構成されており、地球全体のコミュニケーションはこれらの磁気ラインに沿って迅速に行われます。これは人間の体の神経系のようなものです。どの部位で痛みを感じても、脳は瞬時にそれを察知することができます。地球も人体と同じくらい複雑なシステムを持っているのです。しかし、今日ここで私たちが学ぶのは、地球の生理学ではありません。
レパード・スキン・ジャスパーは、地球が何を必要としているかを察知し、行動すべき情報を集めます。そして、ポピー・ジャスパーは、その目的を達成するためのエネルギーと支援を提供します。ポピー・ジャスパーがレパード・スキン・ジャスパーから情報を受け取ると、その反応は非常に前向きなものとなります。ポジティブな態度は、皆に良い影響を与え、効率的に物事を成し遂げる原動力となります。あなたも経験したことがあるでしょう。ポジティブなエネルギーで物事に取り組むと、より多くの成果が得られ、気分も良くなり、周りの人たちにもそのポジティブな影響が広がるものです。
エネルギーの渦
私のエネルギーの渦が下向きに回転していることに気づかれましたか？ これは、私が大気からエネルギーを取り込んでいるからです。私の波動の渦は、大気中のエネルギーを土壌を通じてポピー・ジャスパーへと引き寄せます。
ある仕事が発生したとき、私はポピー・ジャスパーの主渦から「子渦」を生み出します。時には、その子渦を必要な場所へ向かって送り出します。あるいは、私よりもその地域に直接的な影響を与えられるジェムストーンやアースストーンに向かって送ることもあります。子渦は、主渦とは逆方向に回転します。同じ方向に回転していた場合、主渦のエネルギーは子渦を前進させることができないでしょう。
子渦が上向きに回転すると、高揚したエネルギーがターゲットに届きます。この活性エネルギーはポジティブで、幸福感や楽しさをもたらし、良い態度やユーモアを生み出します。それは、アドレナリンのように作用し、レパード・スキン・ジャスパーが見出したミッションを遂行するジェムストーンやアースストーンに活力を与え、生き生きとさせるのです。明るく、ポジティブな刺激を受け取ると、人はよりポジティブに反応するものです。そう思いませんか？
私のエネルギーが他の石を活性化させると、その石も自分の任務に気づき始めます。そして、私はその任務を明確にする手助けもします。同様に、このエネルギーは人体にも作用し、眠っているように見える部分を目覚めさせ、活気づけることができるのです。
「目覚めさせる 」とはどういうことですか？
例えば、胃が空っぽのとき、消化液は分泌されず、胃は「眠っている」と言える状態です。しかし、食べ物を摂ると胃は目覚め、活発に動き出し、消化液を分泌し始めます。私は、まさにその食べ物のような役割を果たす存在なのです。
私のエネルギーは、身体の特定の部分にエネルギーの流れを阻害する硬直したパターンや物理的な障害、滞りを取り除くのを助けます。滞りは、必ずしも身体の特定の部位にだけ現れるわけではなく、全身の細胞に緊張や停滞が広がっていることもあります。こうした状況では、エネルギーが本来のように細胞内を流れることができません。しかし、ポピー・ジャスパーを身に着けることで、この滞りが解放されることがあります。この解放は、筋肉の自発的な痙攣（けいれん）として現れることもあり、これを「ほぐし」と感じる人もいます。
身体がこうした障害から解放されると、より多くのエネルギーを受け入れることができるようになります。その結果、以前はできなかったことができるようになり、エネルギーの増加により気分も向上します。少しでもアドレナリンが増えると、前向きで陽気な気分になり、生命の喜びや幸せを感じることができるのです。
ポピー・ジャスパーを身に着けることで、地球の生命エネルギーとの繋がりをより深く感じ、活力を得ることができます。これを継続して身に着けることで、これらの効果をより実感することができるでしょう。
より大きな調和
最近、ある変化が起こり、私と他のいくつかのアースストーンが、自分たちの役割や、どのように協力し合っているかを認識できるようになりました。この変化が起こる前は、多くのアースストーンが本能に従って行動し、まるで夢の中で働いているような状態でした。
しかし、意識が高まったことで、地球のあらゆる部分がより調和に向かって進む可能性が生まれました。これは同時に、より大きな責任が求められ、困難な状況に対処する必要が出てくることを示しています。本能や自動的な反応だけでは、異常な状況や予想外の変化に適切に対応できない場合があります。意識をしっかり保つことで、私は他の意識の高いアースストーンと協力し合い、異常な状況を効果的に解決できるのです。
人類が成長するにつれて、テクノロジーも進化しています。しかし、人類はまだ地球の本質を十分に理解しておらず、地球に負担をかける行動を取っています。あなた方は、地球に与える影響のバランスを取るための創造的な解決策を見つける必要があります。地球を守り、その結果として人類の存続をも確保する方法を探らなければなりません。
何か未知の力、もしかしたらスピリットが、人々にアースストーンを球体に加工して身につけるというインスピレーションを与えました。このインスピレーションは、地球からの贈り物とも言えます。アースストーンを身につけることで、地球との調和が深まり、地球が本当に「生きている」と感じられるようになるのです。地球は人間の体を完全に反映しているので、人々がアースストーンを理解し身につけることによって、自分自身のこともより深く理解できるようになるでしょう。
私は他のアースストーンにやる気やインスピレーション、行動力を与えるように、人々にもそのエネルギーを提供します。ですから、じっとしていたい人はポピー・ジャスパーを身につけて、それでもなお、じっとしていられるとは思わないほうがいいでしょう。おそらく、ポピー・ジャスパーに関して一番避けるべきことは、刑務所にいる人にその石をプレゼントすることです。その人は、何か行動したい、変わりたいという衝動に駆られるでしょう。しかし、物理的にそれを制限されると、ひどくイライラしてしまうでしょう。
あなたは、私が動いている一瞬を捉えましたね。あなたが去った後も私は仕事を続けます。まだお話ししたいことはたくさんありますが、まずは私が伝えた情報をしっかり理解し、自ら一歩、二歩と前に進むことが必要です。焦点の合った質問ができるようになるには、十分な理解が不可欠です。そうすれば、さらに多くのことをお伝えできるでしょう。準備ができたら、私がどこにいるかすぐにわかるでしょう。
この洞窟をよりはっきりと見ていただくために、私は光を用意しました。暗闇は多くの場合、人間を不安にさせ、行動をためらわせます。実は、これは本当の火ではなく、ただそう見えるだけです。この光は、あなたにとって象徴的な意味を持つかもしれません。このシンボルを通じて、私がどのように人々に影響を与えるかを理解する手助けになるかもしれません。ただし、シンボルをあまりに鵜呑みにしないよう、気をつけてください。
「ありがとう」とマイケルは言った。渦が遠ざかっても、私の体は依然としてポピー・ジャスパーのエネルギーを感じていた。すべての筋肉が交互に伸び、ストレスや滞りが解放される感覚は、まるで朝のストレッチのように爽快だった。
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「石の精霊の叡智」マイケルカッツ（著）
"Wisdom of the Gemstone Guardians" by Michael Katz (Author)
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