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離散止まらぬ立憲ーいったい、何が起きているのか

統一地方選挙を前にして、国政野党第一党である立憲民主党に異変が起きている。

2021年の衆院選岐阜5区に、小選挙区で全国最年少の25歳で立憲民主党から出馬した今井瑠々(るる)さん(26)が離党し、今春の岐阜県議選多治見市選挙区に出馬する意向を固めたことが分かった。自民党の支援を模索しており、党県連も推薦を検討している。複数の関係者が明らかにした。

中日新聞WEB版

昨年の衆院選で岐阜5区に立憲民主党から出馬し、全国最年少の候補だった今井瑠々(るる)氏が党を離党。重ねて、岐阜県議選に多治見市選挙区から無所属で立候補する意向を固め、自民党岐阜県連が推薦を検討しているとの報道が出ている。

一昨年の衆院選で一躍話題となった今井氏。自民の現職に挑み、惜敗率は8割を超えたものの、比例復活もならず落選していた(ちなみに同選挙区では維新公認で元下呂市長の山田良司氏も立候補していた)。落選後も立憲民主党の支部長として活動していたが、年明けに突然のニュースが舞い込んだ。

しかし、立憲を離党し他党に移る、といった事例は今井氏に限った話ではない。ここ一二年で、立憲から維新、自民党に移る決断をした議員や支部長は多くいる。なぜ立憲からの議員・支部長の離散が止まらないのだろうか。

立憲の影響力低下?

立憲民主党は、一昨年の衆院選・昨年の衆院選ともに議席を減らした。支持率も結党当初より落ち込んでいる。そして、地方に目を向けてみると、立憲を離党し維新をはじめ他党に行った地方議員・支部長が多く存在する。

泉代表になってから、「提案型野党」としての路線にシフトが始まり、維新との共闘にかじを切ったが、立憲民主党の党勢拡大にはつながらない。

その一方で勢力を増してきたのが日本維新の会。昨年の参院選比例では、関西圏に加え、関東圏でも立憲に肉薄する得票率となった。全国得票率でも野党トップ、支持率も立憲を追い越す勢いで、影響力が全国に広がりつつある。

昨年の参院選比例で日本維新の会から出馬して当選した松野明美氏は、当初は立憲民主党から立候補を打診されていたが、最終的に維新からの出馬となった。

維新との国会連携は選挙協力にも影響するのか

さて、そんな立憲民主党だが、昨年秋の臨時国会から日本維新の会と共闘を行なっている。現状では、国会協力のみにとどめ、選挙協力は「現実的に非常に難しい」(維新・馬場代表)、「選挙協力は考えていない」(立憲・岡田幹事長)と消極的だ。

だが、何が起こるかわからないのが政治の世界。「2万%ない」と言っても、起こってしまうのだから。

ちなみに、維新と立憲の選挙協力にはどのような効果あるのだろうか。おちゃマガジン主筆で、選挙予測で定評のあるおちゃ(@ishin_ocha)氏に聞いた。

おちゃ氏

「現状、小選挙区制である以上可能な限りの一騎打ち状態を形成する必要性が生じる。『自民党対それ以外の二択』の構図が完成すれば、全国で50以上の選挙区で自民党に逆転することができる。しかし、当然ながら野合という批判も避けられないほか、選挙区での擁立が減少するために比例代表の票掘り起こしが不可能になるため、苦戦を強いられる可能性が高いだろう」

メリット・デメリット双方ある、と述べたおちゃ氏。また、9年前の衆院選での民主党(当時)と維新の党(当時)の選挙協力に触れ、その効果について話した。

「民主系と維新が選挙協力を行うのは、2014年の衆議院議員総選挙が良い事例となる。結果としては自民党が大勝し民主党も当時代表の海江田万里氏が落選するなどのイメージが強いが、全国複数の小選挙区で自民党を制するなど一定の成果も見られた」

もし立憲と維新が選挙協力をすることになれば、14年の民主・維新の選挙連携後のように、両党が合流に向かう可能性もあるかもしれない。しかし、仮に実現したとしても、政権奪取は厳しいだろう。

立憲の向かう先は

立憲民主党は高齢者層では一定のシェアを誇るものの、若年層からは十分な支持を得られていない。このままでは、坂道を転がるように衰退していくだけだろう。

今後、いかにして若者に支持を広げていくか、またどうやって政権奪取に近づいていくかの戦略づくりが立憲民主党、そのほか野党にも求められるだろう。自民党の壁はどんどん高くなっている。

そして、統一地方選挙の行方にも注目だ。


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