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ishin2022―激動の1年を振り返る

昨年10月の衆院選。日本維新の会は41の議席を得て野党第2党にのし上がった。それまで弱小政党におちぶれていた維新に風が吹いた瞬間だった。今年の参院選でも躍進を果たしたものの、主要な選挙区では次点に終わるなど、勢いは弱りつつあった。一方で、代表選や大阪市長選挙の候補者予備選など、これまでにない取り組みも注目を集めた。まさに、維新にとっては激動の1年だった。

5選挙区に重点置き議席獲得目指すも・・・

7月の参院選では、改選6議席の倍増となる12議席を目標とし、選挙区では東京・神奈川・大阪・兵庫・京都の5選挙区を最重点選挙区とし、比例代表では立憲民主党を超える議席の獲得を目指すとした。大阪、兵庫、神奈川はそれぞれ現職・前職が立候補し、4人が議席を守った。大阪では、1位・2位当選とはならなかったものの、2人の得票を合算すると自民候補の倍以上を得ており、大阪での維新の盤石さを改めて見せつける形となった。兵庫では、1人の擁立にとどまったものの、現職が自民候補に9万票近くの差をつけてトップ当選した。神奈川では、かつて県知事を務めた前職が3年前に引き続き立候補。相対的に関東圏では弱いが、60万票を超え自民現職に次ぎ2位につけた。一方で、新人を擁立した複数区の京都・東京・愛知・埼玉・福岡ではいずれも惜敗に終わった。

出来レースに終わった代表選挙

松井代表(当時)の退任表明を受け、8月には維新初となる代表選挙が執行され、松井氏から事実上の後継指名を受けた馬場伸幸衆議院議員に足立康史衆議院議員・梅村みずほ参議院議員が挑戦した。当初は東徹参議院議員なども立候補の意思を示していたものの、分断を招きたくないと述べ断念、馬場氏の支援に回った。足立氏、梅村氏はそれぞれ30−40人の推薦を確保し臨んだのに対し、馬場氏の推薦人には党内の国会議員や大阪府の首長を中心に300名が名を連ねた。後継指名はしないと述べていた松井氏や、特定の候補は支援しないと述べていた吉村大阪府知事が馬場氏の支持を相次いで表明したことも相まって、出来レースではないかとの批判が殺到した。結果、足立氏・梅村氏の1000票余りに対し、馬場氏が8000票超を得て当選を果たした。馬場氏が圧倒的な力の差を見せつけたが、一般党員の投票率は5割台に留まるなど、盛り上がりには欠けた。特別党員の間では盛んに活動が行われたものの、党員や支持者への訴求力はあと一歩、といったところだったか。

他党との関係も変化

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