ピンク映画の歴史を描いた『ピンクリボン』で日本映画をより深く知る。
UPLINK見放題34本目です。
「ピンク映画」と「ポルノ映画」の違いも意識したことなかったんですが、この映画を見て違いがわかりました。そして、日活ロマンポルノが日本映画史において重要なことは知っていたんですが、ポルノ映画もまた独自の発展を遂げることで、日本映画を守っていたんだなと思いました。
映画好きなら若松孝二や高橋伴明くらいは知っているかと思いますが、彼らの実験的な手法を培ったのがピンク映画だということは特筆に値します。
映画の冒頭に黒沢清監督が登場します。知っている人は知っていると思いますが、黒沢清監督の商業映画デビューはピンク映画、そして一般映画デビュー作の『ドレミファ娘の血は騒ぐ』はロマンポルノとして没になった作品を再編集したものです。
黒沢清はピンク映画出身ではなく、商業映画を作る経験としてピンク映画を撮ったに過ぎないのですが、若手の制作者が経験を積む場所としても機能していたことはわかります。そのあたりからピンク映画の意義が少しわかるのではないでしょうか。
2012年に亡くなった若松孝二監督のインタビューがかなり長く使われているのも貴重。若松孝二監督といえば『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』や『キャタピラー』なんかは知っている人がいるかも知れませんが、ピンク映画で培われた手法と実験性がその作風を作り上げたということがわかります。
映画、特に日本映画について深く知りたい人は必見です。
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