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UPLINK60本全部見る

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UPLINK Cloudの60本3ヶ月見放題の作品を全部見て、その感想をまとめるためのノートです。みなさんの自宅待機の暇つぶしに少しでも貢献できたらいいなと思っています。
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#ドキュメンタリー映画

芸術はなぜ大切か、ジョン・カリーとヨーゼフ・ボイスのドキュメンタリー映画から考える

今回のコロナ禍の前からですが、芸術あるいはアートの大切さについて考えています。アートは苦難のときに人や社会がすがるものであったり、新しいものを生み出すきっかけになるものです。 UPLINK60以上見放題でも、アート系の作品が結構あり、その一つ一つでそんな事を考えてきましたが、残り少なくなったところで観た2本でも改めてそんな事を考えました。50本目と51本目です。 面白かったのは『氷上の王、ジョン・カリー』。1976年インスブルック冬季五輪の男子フィギュアの金メダリストの生

芸術が人生にも社会にも大切なことがわかる2本のドキュメンタリーを見た

UPLINK見放題はまだ続いているようなので、色々ありますが、ぜひみてください。今回は46本目と47本目の2本です。 音楽とフラメンコとジャンルは違いますが、芸術に深く関わる人生を送ってきた方々のドキュメンタリー。どちらもまずそのパフォーマンスが素晴らしく、それに尽きると言ってもいいですが、学びもあるはずです。 1本目は『シーモアさんと、大人のための人生入門』 2本目は『ラ・チャナ』です。 コロナ禍で芸術は不要不急だという話になっていたりしますが、絶対にそんなことはな

”食の安全”を探求するジャン=ポール・ジョー監督3作品から見えてくる繰り返すことの大切さ

UPLINK60本見放題全部見ると言っていたのですが、6月に入って #BlackLivesMatter について考えざるを得ず、UPLINKの方は中断という形になってしまいました。#BlackLivesMatter の方もまだ道半ばで、探求しなければいけないのですが、UPLINK見放題の期限が切れてしまうので、とりあえず今は見まくっています。 #BlackLivesMatter についてはこちらをご参照ください。映画の本数は今後増える予定です。 さて、UPLINKの方は、

これは映画館で見たかった!『光のノスタルジア』の圧倒的な映像美とチリの悲劇の歴史、そして時間と存在への哲学的疑問

パトリシオ・グスマン監督は1975年から78年にかけて『チリの戦い』という3部構成の政治ドキュメンタリーを手掛けた映画監督です。こちらの『光のノスタルジア』は歴史もモチーフにしながら、監督が興味を持つ宇宙をテーマに「過去」という題材を描いた作品。 映像の美しさに浸りながら遠くへ思いを馳せるとなにか見えてくるものがあるかもしれません。 UPLINK Cloudの動画はこちら。 感想は、こちらで読めるようにしました。 リストはこちらから。 UPLINK以外でも見られます

映画『真珠のボタン』の宇宙と水と西パタゴニアの先住民が投げかける人間の愚かさの起源とは

パトリシオ・グスマン監督が『光のノスタルジア』から5年後に撮った続編的な作品。『光のノスタルジア』ではチリ北部のアタカマ砂漠が舞台でしたが、今度は最南端の西パタゴニアが舞台。そこにもチリの悲劇の跡があり、グスマン監督はそこから宇宙と人間を見つめ、私たちに行き方を問うてきます。 UPLINK Cloudの動画はこちらから。 おすすめ度は高いのでぜひ見てください。 感想はこちらに書きました。 UPLINK60本以上見放題のリストはこちらから。

非常時こそ女性が強い!『ラジオ・コバニ』と『ガザの美容室』

UPLINK60本全部見ているわけですが、いろいろなところに書いているせいで、6本目の『ラジオ・コバニ』をこちらに載せるのを忘れていたのですが、9本目に見た『ガザの美容室』と共通して女性の強さを描いている気がしたので、あわせて紹介します。 『ラジオ・コバニ』は、絶望の中でも人を信じて希望がもてる方へと歩み始める若い情勢の姿を追ったドキュメンタリーで勇気づけられる作品でした。 もう1本、9本目の『ガザの美容室』はパレスチナの美容室で女性たちが諍いをするという話。ガザ地区に閉

『すべての政府は嘘をつく』のだから戦うしかない。映画から独立メディアの大切さを学ぶ。

UPLINKの見放題60本全部見る企画が続いていますが、今回はその中から以前に見た作品『すべての政府は嘘をつく』を。タイミング的にあれですが、別に今の日本の政府が嘘をついているという皮肉ではありません。 そもそも、この映画は政治についてというよりはジャーナリズムについての映画で、市民がどうやって政治を監視するのかについて考えさせられる作品です。 この後に紹介する予定の『ラッカは静かに虐殺されている』を見ながらこの作品のことを思ったので、先に紹介しておくことにしました。