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受験と便秘

国公立大学の2次試験中のニュースを見ながら、母に37年前には言えなかったことを話しました。 
以前、話したような気もするけれど、母曰く「聞いてない」らしい。

2次試験で大阪府立大学を受験した日のこと。

1つ目の試験は英語。
ここまでは順調でした。
 
2つ目の数学が始まったところで、お腹に異変を感じます。
当時の僕は朝に排便の習慣はありませんでした。
便秘がひどかったこともあります。
気づくと3日ほど便通がないことも普通で、
試験の日もホテルで排便することはありませんした。
 
しかし、便秘から一転、便意をもよおすと厄介なのです。
肛門の蓋をしている固い便が出るまでトイレに籠らなくてはなりません。
しかし、試験は始まったばかり。
 
お腹の激痛は増していきます。
既に問題を解くどころではありませんでした。
 
ただごとではない雰囲気を醸し出していたのでしょう。
「大丈夫?」
 と中年の試験管から声をかけられます。
「トイレに行かせてください」
 と訴えました。
 
試験管に付き添われ、トイレへ向かいます。
時間をかけて排便し、試験会場へ戻る際、
「もう一度、行くかもしれません」
 と伝えます。
便秘の後の排便は、時間をおいて、二度、三度と下痢になるまで排便が続くのです。
「次は手をあげなさい。すぐ連れていくから」
 と優しくおっしゃってくださいました。
 
案の定、席について間もなく、次の便意の波がやってきます。
そのままトイレにいればよかったのではと思われますが、
トイレを一旦、出て、しばらくしてからでないと次の波が来ないのです。
 
同じ試験管に付き添われ、再びトイレへ。
「一度、背伸びしてごらん。
お腹に違和感があるようなら、まだ、座っていなさい」
 ドアの外からアドバイスを受けた記憶があります。
その節は大変お世話になりました。
 
当然、数学の試験どころではなく、終了と同時に逃げるように試験会場を後にしました。
自宅に戻り、母から、「どうだった?」と聞かれても、正直に話すことはできなかったのです。
受験者の皆さま、可能な限り、排便を済ませてから、お出かけください。
 
ちなみに後日、「モズ ナカズ(中百舌鳥(もず)に大学のキャンパスがあるので)」の電報が届きました。

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