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外国人の街の銭湯にて

名古屋は東山線の新栄駅。
栄駅は、よく利用しますが、隣駅なのに、なかなか降りる機会はありません。
次の予定まで2時間ほどあるので歩いてみようと、あえて栄駅を乗り過ごして下車します。
 
この近辺を歩くのは約10年ぶり。
日本在住の外国人の飲食店を巡る旅をしていた時、
名古屋で選んだ店が新栄にありました。
犬鍋を食べさせてくれる中華料理店を紹介していただいたのです。
日本でも戦前まで残っていた犬食文化について調べたっけ。
入るのに勇気がいるような店構えで、店員はもちろんのこと客も中国人だけだったなぁ。
スマホで再度、場所を確認し、当時を思い出しながら、店まで歩いていくと、改築され、高級店のような店構えになっていました。
 
店の前を通り過ぎ、さらに、ぶらぶらしていると、
すれ違う二人組の会話は中国語、
マンションなど建物のデザインも日本っぽくなく、
ベランダに干す洗濯物からも、どこか外国の香りを感じ、ワクワクしてきます。
 
古い銭湯を見つけ、「外国人」を期待して入ってみることに。
意外にも脱衣所は若い日本人男性3人組がいました。
腰にタオルを巻いて、椅子に座り、スマホに夢中で、前髪の垂らし具合に、夜の雰囲気を感じます。
新栄は歓楽街としても知られ、歩いている途中、ホストクラブの写真入り看板も見かけました。
 
浴場の手前に別室の小さなサウナがあり、
サウナに入って、浴場の一番手前にある水風呂に入り、
脱衣所で休むのが、この銭湯のスタイルらしい。
 
昼間の銭湯は高齢者が多いのに、ここは若年&中年男性が多いというのが興味深い。
背中一面に見事な鯉のタトゥ(いや、入れ墨といった方がしっくりくるかな)が彫られた中年男性も入っていらっしゃいました。
彼らは「タトゥお断り」のステッカーの貼られたスーパー銭湯には入ることができないので、これも僕の銭湯の密かな楽しみです。
 
浴場で一緒になると、
ついつい湯船に浸かりながらも、
視線は入れ墨に行ってしまうんですよね。
なかなか拝見する機会がないけれど、僕の少ない統計上、背中一面に入れ墨をほどこした方は、几帳面な方が多く、カランの使い方、身体の洗い方が美しいことが多い。
若い頃に叩き込まれるのでしょうか。
妄想が広がります。
こうして、すっかり、のぼせてしまいました。

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