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「じゃばら」が養蜂場所にやってきました

和歌山県北山村の特産品「じゃばら(みかん)」。
「邪気をはらう」から名付けられ、
酸味の後、ほのかな苦みを感じるゆずに近い品種です。
 
50年ほど前、自然交雑種から生まれた品種らしい。
人工交配による品種改良植物ではなく、自然に他の種や品種の花粉がついて生じた植物なのです。
新種の柑橘系ということで、品種登録され、この地区では、少しずつ収穫量が増えていきました。
 
しかし、世の中は「甘い」みかんが主流です。
「じゃばら」は、なかなか売れません。
減反(生産を減らす)対象になるほどまで追い込まれます。
 
そんな中、毎年、大量に購入する人がいらっしゃいました。
役場の担当者が尋ねると、その家では、「じゃばら」を食べると花粉症が軽減されるとおっしゃったのです。
科学的に調べてみると、「じゃばら」には花粉症を抑える成分が「ナリルチン」が含まれていました。
 
世の中、わからないものです。
これで一気に大逆転。
減反対象にまでなっていた果物は、口コミ効果、SNS効果で、今では大人気の果物になり、
花粉症用にじゃばらサプリまで発売されるほどになりました……と全て受け売りの情報です。
 
その「じゃばら」が植木鉢に入って、やってきました。
先月のりんごの樹木に比べれば、移植も楽です。
 
母の昼寝の合間に、車に積んで養蜂場所に向かいました。
スコップで掘り、油かすを土に混ぜて下に敷き、
植木鉢を多少、揺らし、周囲を叩いた後、木を少し上に引っ張ると、
スポッと植木鉢の形のまま持ち上がります。
根でしっかり土を食い止めてくれているのでしょう。
 
移植を終え、土の上に乾燥防止のため、目の前に広がる農業チームで作付している田んぼから藁を持ってきて敷き、
すぐ横を流れる小川から水を汲み上げて、たっぷりかけます。
「いい場所にあるなぁ」とつぶやきながら。
 
そして、Lineの「アンビー」グループメールに
「花粉症の方、乞うご期待!」
 と打ちました。
 
しかし、考えてみたら、果汁が獲れるほど実がつくまでに何年かかることやら。
でも、養蜂場所に楽しみが、また一つ増えました。

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