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不器用

エレファントカシマシの宮本さんの声が好きだ。
荒々しく、力強く、時に儚いあの不器用な声だ。
同様にeastern youthの吉野さんの声も好きだ。

「不器用な男」はかっこいいという価値観はいつから生まれたのだろうか?
高倉健さんか?もっと前か?
不言実行を美徳とする精神が日本には古くから根付いているが、それも関係あるかもしれない。
とにかく、不器用はかっこいいのだ。
しかし、単に不器用なだけではいけない。
沢山の努力や苦悩が見え隠れしている様や、その努力すら隠そうとするそのマインドがかっこいいのだ。

転じて俺は器用だ。
「それなり」に器用だ。
努力をするフリも、それに伴うそれなりの結果も出せてきた。
いかにも現代社会の申し子という感じだ。
だから、それなりに不器用なフリもできる。器用だから。
つまり俺には「器用に生きる」と「不器用なフリをして生きる」という二つの選択肢があるわけだ。

器用に生きると不器用特有のかっこよさは得られないし、「かっこよく生きたいと思うから不器用なフリをする」というのはダサいし。

結局俺は器用に生きるしかないんだと不器用な選択をしてしまうわけである。

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