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ランボー最新作の良いところ

ランボー最新作『ラスト・ブラッド』、本日2回目の鑑賞しました。

ランボーを知らない、過去作を観ていないという人にとっては、
今作は『後味悪いグロテスクな暴力映画』ですが、
ランボーリテラシーのある人にとっては、
スタローン印の快作』と言える作品に仕上がっています。

1.グロテスクな暴力描写には意味がある

近年のシルベスター・スタローン映画では、暴力描写が過激で凄惨な表現になっていますが、これは刺激やニーズによるものではなく、
スタローン自身の『暴力描写から逃げない』という信念に基づいたものと考えるのが正しいでしょう。
前作『最後の戦場』の暴力描写の凄惨さは伝説となっていますが、これも当時、実際にミャンマーで起きている残忍な虐殺から目を逸らしている世界に向けたスタローンの怒りのメッセージでした。
今作『ラスト・ブラッド』でも、暴力に娯楽的なカタルシスを与えず、それが正義によるものだとしても忌み嫌われる悪しき行為として、表現されています。
確かに後味は悪いですが、ランボーは頑なに暴力を避けようと努力しています。その我慢がひとたび限界を超えてしまえば、それは相手にとっても、ランボーにとっても地獄となります。それがランボーの持つ世界観です。

2.ランボーに訪れた平穏

今回のランボーはめちゃめちゃしゃべります。 
え?ランボーって、こんなにしゃべるの?キャラ設定、間違ってない?・・・でも、そっか今までずっと人として壊れてたもんね。人間性が回復すれば、たくさんしゃべるし、笑顔にもなるよね。
と今までにはない平穏な日々に涙が止まりません。
正直、これで終わってくれても、ええんやで。と思いました。



ここからネタバレが入りますので、ご注意ください。



3.絶望そして地獄へ

中盤、娘のように可愛がっていたガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されてしまいます。ランボーは単身で乗り込み救出しますが、帰路の車中にガブリエラは命を落とします。
この救いのない展開から地獄ライドが始まります。
ランボーはカルテルに対し、メキシカンマフィアおなじみの斬首で挨拶。
自宅では、いきなりの大爆破からのベトナム戦争仕込みのトンネルを使ったおもてなし。
手下どもには、相手が即死していようがお構いなしのオーバーキル。
ボスには、四肢を矢で貫いて固定しての心臓つかみ取り。
正に地獄絵図。最悪最凶にして最高のフィニッシュです。

4.ラスト

全てを終えたランボーは、深手を負い、ロッキングチェアに腰掛けたままラストを迎えます。
ランボーは生きているのか?死んだのか?

スタローンは
ロッキーは人生の楽観的側面を、ランボーは煉獄を表している。
と残していますが、まさに煉獄と言える今作『ラスト・ブラッド』最高でした。

願わくば、続編やスピンオフはナシの方向で。


以下は、ただの落書きです。


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