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【映画】子を持つ親はぜひ!グッド・ボーイズ【ネタバレなし】

もうすぐ夏だ。夏の映画と言えば、今は『サマーウォーズ』だろうか。自宅にTVは無いので目にする機会は少ないはずだが、毎年、目にしている気がする。『サマーウォーズ』は好きだ。特にクライマックスのこいこい(花札)勝負のシーンは、いつ見ても興奮するし、鳥肌が立ち、涙する。最後に逆転勝利することはわかっているのに、何度でも心から応援してしまう。

ジュブナイル映画と言えば、『スタンド・バイ・ミー』『E.T.』などもあるが、ここ2,3年では『フロリダ・プロジェクト』が印象に残っている。フロリダの安モーテルを舞台に、貧困層の人々の日常を6歳の少女の視点から描いた作品だが、その目線からの世界の見え方がキラキラで、スリリングで、とにかく楽しくてたまらない。もちろん、厳しい現実が立ち塞がり、主人公ムーニーも窮地に立たされる。ここでだ。親友ジャンシーが取る行動がとても素晴らしいのだ。いつか、誰かのジャンシーになれたら、、、これが私の人生の目標の1つなのかもしれない。

ここでもう1つオススメするジュブナイル映画がある。それが『グッド・ボーイズ』である。

あらすじ

小学6年生の少年3人は同級生の女子たちから“初キス・パーティー”に誘われる。このパーティーには意中のあの娘も…♡しかし、キスの経験が全くない彼らは、背伸びをして様々な手を使いリサーチを開始する。そこで少しずつ垣間見られる“オトナの世界”に好奇心が止まらない!!しかし、ある事件をきっかけにとんでもない騒動へと発展し、彼らは絶交の危機に直面してしまう―。果たして彼らは絆を取り戻し、初キスを経験することができるのか!?

感想

本作は小学6年生の少年3人の冒険譚だが、そもそもR指定(日本ではPG12)。小学生が主人公なのに小学生は見ることができない。それもそのはず、アルコールとドラッグの描写に加え、大人の性玩具をふんだんに使用した下品なギャグの数々。頭から尻尾までオモチャぎっしり。日本では製作はまず無理だろう。

では、ただのくだらないバカ映画なのか?

答えは『NO』である。

下品なギャグ盛々で90分、ほとんど笑いっ放しだが、それだけではない。性に目覚め始めた少年の好奇心やプライド、カッコつけをユーモラスだけど真摯に向き合いもする絶妙なバランスで描ききっており、少年であるが故に知識や常識が足りず、そこを飛躍した想像力でカバーしてしまうために起きる悲劇の数々。とにかく少年たちは『キスを成功させたい』だけである。その一点に情熱を注ぎ、文字通り命をかける。彼らにとっては、大好きなあの子が人生の全てであり、キスの失敗は死を意味する。

果たして、キスを成功させることができるのか?

ここまでコメディ面ばかりをクローズアップしているが、ジュブナイル映画に欠かせない要素である、友情と成長に関する描写も群を抜いている。成長の度合いは目まぐるしく、その辺の大人より、ずっと大人なのだ。少なくとも私よりは。

『何を言ってるの?』と思う方は、ぜひ『グッド・ボーイズ』をご覧ください。

少年の繊細な心の動きとこじらせ方がよくわかる素敵な物語なので、子供を持つ親御さんは、ぜひぜひご覧ください。


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