説得力と上から目線の両立?

眞蔵さんから頂いたお題の、続き。

上から目線にならない技術と、説得力を持たせる技術は両立可能でしょうか?

上から目線については書きました。

上から目線にならない技術

説得力は、どっから出てくるのか、まずちょっと考えてみたいと思います。

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説得力って、一つにはやっぱり「誰が言っているか」っていうところにあると思います。僕から出てくる言葉と、イチローから出てくる言葉は、やっぱりもうそれだけで説得力が違うわけですよね。

だから一つには「実績」とか「歴史」ってやつは無視できない要因だと思います。

僕も40歳を過ぎて「これまでの会社支援を数十社経験してきて言えることは・・・」っていう話し方ができるようになって、それはやっぱり以前よりは説得力があるよな、と思います。

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外資コンサルに最初に入って、いきなり20代の何の経験もない”コンサルタント”が、その業界で何十年も働いてきた人たちに向けて「説得力あるプレゼンをする」っていうのは、仕事上どうしてもしないといけないものでした。

まぁ一つには「アクセンチュアの人間が言っている」という看板効果はあったわけですけど。でも、それだけじゃやっぱり仕事でOKなレベルにはならない。

そこで磨いたのはとにかく「論理的な説得力」だったなと思います。論理を詰めていって、「確かに、そういう理屈だなぁ」と、理論上理解してもらう。

これは、経験や実績とは違う類いの説得力です。

Aという状況だとしたらBをやる必要がありますよね?で、今の状況がどういう状況かというと、XとYとZが起こっている。それってまとめるとAだってことになりますよね?だから、貴社はやっぱりBをやる必要があるんですよね。

やってたことは基本的にこれだけで、この文法に則ってひたすらデータやらなんやらを持ってきて説得力を高める。それをやってたと思います。

1社目では「おまえ自身が考え抜いたロジックを出してみろ」「それがお前の付加価値だ」という思想が徹底して、その世界で修業してきたなぁと。

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もう一つ。3社目のときは「君みたいな若造の意見なんて、誰も求めてないよ」っていう感じがあって。(そうは言われてないんですけど、1社目との比較で、僕にはそう感じられていたってことです)

そうすると、何が起こるかというと「引用」ですね。「この本ではこう書いてあります」「この大御所はこう言っています」「こういう事例があります」

これも説得力を高めるのに、鍛えてきたことだなぁと思います。

今も、この引用によって「はぁ、なるほどぉ」と聞いてもらえるケースは結構あるなぁと思います。

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とここまで書いてみて「説得力と上から目線の両立」ということに関して、僕自身は「あれ?それって矛盾したりする?」って感じなんだなぁ、と。

「実績」「論理」「引用」のいずれも、それを使ったら則「上から目線」になるようなものでは、ないんじゃないかなと。

でも多分「実績」「論理」「引用」のいずれを使ったとしても「なんかこの人上から目線でうざいんだよな」と思われる可能性はあるだろうな、と思います。

そこはなんというか、ここまで投入してきた労力、実績を作るのに投入してきた労力、論理を突き詰めるために投入してきた労力、引用をするために勉強に投入してきた労力、その辺の「労力を分かってほしい」という気持ちがあったときに、どうしても上から目線的な何かがにじみ出てきやすいんじゃないかな、ということです。

その労力を軽んじられるような感じを受けると、なおさら「おいおい、ここでしゃべってる知識はそんなに安いもんじゃないんだぜ」ってことも伝えたくなってくる。わかってほしくなる。

そうなると、上から目線的ななにかが発動しやすいのかなと。

なので、僕は、自分の貴重な「経験」「論理」「引用」を軽んじて接してくるような人にはあんまりしゃべらないようにしてます笑。だって気分悪いんだもん笑。すいません、器が小さくて涙。

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昔、新人研修とかでよく話してた話ですけど「先輩が上から目線で、イラつくんです」っていう新人がいて。いやいや、ちょっと待ってよ、先輩が上から目線って、先輩は上なんだよ(笑)って話をしてました。

むしろなんであなたが対等目線なんですか、っていう(笑)

「俺はこうだと思うんだよねー」って言ったときに、

「うぜーな、お前の意見おしつけくんなよ」って思う人もいれば

「なるほどー。あなたの意見はそれかー」みたいに思う人もいて、

そこまではコントロールできない、っていうのもあると思います。


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