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カスタマイズされていくスタイルで示した多摩川クラシコの大勝劇。(リーグ第3節・FC東京戦:4-0)

 味の素スタジアムでのFC東京戦は4-0で勝利。

攻守ともに圧倒した結果がスコアに表現されました。ただ流石にこれだけの大差は、予想していなかったのではないかと思います。

 この試合のFC東京は4-4-1-1のような配置で構えてきました。対策としてはフロンターレの中盤3枚を自由にさせないために、そこを厳しく監視することを狙ってきたのだと思います。

 具体的には、ミドルサード付近で守る時は、中盤をほぼマンマークに近い形にしています。システム上でかみ合うこともあり、ダブルボランチのアルトゥール・シルバと高萩洋次郎がインサイドハーフの脇坂泰斗と大島僚太をマンマーク気味で、アンカーの田中碧にはトップ下の安部柊斗が対応。特にアルトゥール・シルバは、立ち上がりから大島僚太に対してタイトにマークに行って牽制していました。そこは長谷川監督の強調していた球際の部分を買われての起用だったのかもしれません。

 ただエリアを守るよりも、人に対して厳しく寄せてくるならば、それを逆に利用してしまえば、スペースは生まれやすくなります。立ち上がりこそタイトな間合いに苦戦しましたが、大島はすぐに狙いを察知して、中盤でのポジショニングを流動的にしながら、そしてボールを受ける時の判断を早くして、相手に掴まらないようにしていきます。それは同じインサイドハーフの脇坂泰斗もしかりです。相手を外して受ける、あるいは、相手の背中を取る。そうやってボールを握る時間を増やしながら、相手の中盤を翻弄していきます。

では、そこからいかに川崎は前半だけで得点を重ねていったのか。そして後半にオープンにさせることなく、どうゲームを終わらせたのか。レビューでは、そこらへんを中心に語っております。ラインナップはこちらです。

■相手の思惑と対策を外した中盤の対応力。そして大勝を呼び込んだ「タマギワ・レボリューション」

■相手の嫌なところに入っていく。右サイドを制圧した山根視来がチームにもたらし始めたもの。

■あれから1年半。カスタマイズされていくチームスタイルの中心に、長谷川竜也がいる理由。

■守り抜くのではなく、攻め続けて完封する。指揮官が求めたゲームの終わらせ方。

■「シュートを打てなかったですし、そこは自分としても課題。もっともっと自分が入って何かしらを変えていかないといけない」(宮代大聖)。J1デビューは通過点。タイセイの言葉から溢れる貪欲な姿勢。

以上、全部で約8500文字です。

なおプレビューはこちらです。

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第3節・FC東京戦)

では、スタート!

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