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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯決勝・ガンバ大阪戦)

2021年1月1日は国立競技場で天皇杯決勝・ガンバ大阪戦です。

記念すべき第100回大会のファイナル・・・というよりも、忘れられない2020年シーズンのファイナルになりますね。

 天皇杯決勝は2017年以来となります。

去年はルヴァンカップ決勝を経験しましたが、リーグ戦とカップ戦はやはり違います。独特の雰囲気がありますし、同じタイトルのかかった一戦でも、勝つか負けるかの一発勝負のカップ戦では、試合の進め方やプレーの選択も多少なりとも違ってくるからです。そういう部分も含めて、どんなサッカーを見せてくれるのか。楽しみではあります。

そして中村憲剛のラストマッチになります。あらためて、現役最終戦の思いを、彼はこう口にします。

「現役ラストが元日にプレー。名誉なことだと思います。なんだろう。今までいろんなことを言語化してきた人間ですが、18年のラストが1月1日で新国立。誰も想像できていないと思います。今シーズンに関しては信じられないことばかり起きてきましたが、最後はみんなで力を合わせてやって勝つこと。その先に見える景色があるので、そこに全力を注ぎたい」

 個人的な話になりますが、この試合前のコメントを文字起こししていて、中村憲剛の選手コメントを起こすのも、決勝後に1回あるかどうかか・・・と思うと、急激に寂しくなってきました。麻生の練習後、Jリーグの試合後・・・・自分のサッカーライター人生で一番多くの分量の言葉を文字に起こしてきた存在ですからね。

そんないろんな思いが交差する、天皇杯ファイナルの見どころです。ラインナップはこちら。

■4年ぶりに挑む天皇杯ファイナルの、気になるスタメン予想。指揮官の狙いが読み取れる、注目すべき起用ポジションは?

■「(練習は)自分だったりが安心するためにやることではないと思っているんです」(鬼木監督)。史上最強の秘密は、やはり麻生にあり。練習メニュー構成に見る昨年との変化と、指揮官のマネジメント力。

■「自分が指導者になったとしても、そういう空気感でやればタイトルに近づけるんだっていうことを知れたのは大きかったと思います」(中村憲剛)。プロとして18年過ごしてきたラストウィーク。麻生での練習を終えて、現役最後の試合に向かうケンゴが語ったこと。

■リアリストに徹する戦い方に舵を切れる宮本ガンバとどう戦うのか。そして、忘れてはいけない彼らの「奇襲」とは?

■「リョウタくんがどう感じているかはわからないですが(笑)、僕自身はすごくやりやすいと感じているので、その部分を試合で出せればと思います」(三笘薫)。左サイド攻撃の呼吸が勝利のカギを握る理由。そして準決勝の先制弾のコントロールは、なぜ足裏だったのか。三笘薫に聞いてみた。

■「でも、言い続けてはいますね。四年間、言い続けているので、意識としてはみんな持っていると思います」(鬼木監督)、「いま思えば、それを詰める作業をして、タイトルを獲ってきた四年間でもある」(中村憲剛)。2017年の元日決勝を知る鬼木監督と中村憲剛が語った、このファイナルで勝つために必要なもの。

以上、6つのポイントで全部で約11000文字です。やはりファイナルはいつだって特別です。試合前に読んで、気持ちを高めてもらえると幸いです。

なお、準決勝のレビューはこちらです。→「君がいた景色」 (天皇杯準決勝・ブラウブリッツ秋田戦:2-0)

では、スタート!

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