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1点差を勝ち切れる強さを支える今季の守備陣。「ここで試合をするのは3回目なので」。大アウェイでも冷静だったチョン・ソンリョンの経験値。(リーグ2nd第9節・浦和レッズ戦:2-1)

 埼玉スタジアム2002での浦和レッズ戦は2-1で勝利。

 埼スタの大アウェイで勝ち切るのは、簡単ではありません。
なによりこの試合は首位攻防戦。浦和サポーターの気合いもとても入っていて、キックオフ2時間ほど前に報道関係者用のバスに乗って報道入口に入る際、ちょうど浦和サポーターがバス待ちをしている時間帯だったんです。

 いつにない緊迫感の漂う雰囲気で、車内一緒だった浦和を長く取材している顔なじみ記者に聞くと、「初めての光景」とのことで驚いていました。

 試合の方はというと、非常に厳しい内容でした。

 なんといってもメンバー編成ですね。

インフルエンザ明けの大島僚太はなんとかプレーできる状態になったものの、橋本晃司が肉離れ、大塚翔平は体調不良で離脱し、三好康児は出場停止。特に左サイドは2種登録されたばかりの高校2年生のデューク・カルロスをベンチ入りせざるをえないスクランブル状態でした。

 最終ラインも左サイドバックのレギュラーである車屋紳太郎が前節に続き欠場。登里享平、小宮山尊信と左サイドバックをこなせる人材が軒並み離脱している状態。前節のサガン鳥栖戦では武岡優斗が左サイドバックをつとめましたが、本職ではないこともあり、うまく機能せず。風間監督は、4バックをあきらめて3バックにシステム変更して臨んでいます。


 こういう台所事情でしたから、もし負けたとしたら、敗因は多く指摘できたと思います。しかしこの試合のフロンターレはこういった不利な材料を言い訳にせず、むしろ勝因に転換してしまいました。サッカーとは面白いものです。

 なかでも試合後の大久保嘉人の言葉は印象的でした。

「今までのフロンターレだったら、直接対決で負けて(優勝争いをしている)相手に離される。結局、脱落する感じだったが、今日は粘り強くみんながやれていた。素晴らしかった」

 そういう勝てるチームになってきたということです。なおタイムアップの笛が鳴ると、中村憲剛は喜びのあまり、ボールをその場の上空に高く蹴り上げましたね。落ちてくるボールを慌ててキャッチしたものの、「西村主審に怒られました。ちゃんと返してって」と明かしていました。まぁ、それぐらい喜びが爆発した勝利だったと言えるわけです。静まり返った埼スタに響いたbasket case。いやはや…しびれました。

では、今回のラインナップです。

1.「悠に『よこせ!』と言った」。先制点を呼び込んだ中村憲剛による「破壊」と、局面に凝縮されていた狙い。

2.「前半に1本あったけど、あれ以降はあんまり狙ってこなかった」(武岡優斗)、「ボカしながら守っていたが、もう少しうまく守りたかった」(谷口彰悟)。明暗を分けた両サイドの守備対応。

3.自身はシュートゼロも「素晴らしかった」と満足の大久保嘉人。2人のストライカーがシャドーに徹し、取るべき人が点を取らずに掴んだ勝利。

4.1点差を勝ち切れる強さを支える今季の守備陣。「ここで試合をするのは3回目なので」。大アウェイでも冷静だったチョン・ソンリョンの経験値。そして「とにかく集中力だと思います」と、最終ラインの前の要塞として立ちふさがったエドゥアルド・ネットの存在感。

5.「最初は、シュートを打とうかなと思ったんですが」。なぜ大島僚太はエウシーニョを選択したのか。激動の一週間と、決勝弾の起点となった一連のプレーを振り返る。(※8月24日追記・約1500文字)

ポイントは5つ。冒頭部分も含めて、全部で約8500文字です。よろしくどうぞ。

なおプレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ2nd第9節・浦和レッズ戦)

では、スタート!

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1点差を勝ち切れる強さを支える今季の守備陣。「ここで試合をするのは3回目なので」。大アウェイでも冷静だったチョン・ソンリョンの経験値。(リーグ2nd第9節・浦和レッズ戦:2-1)

いしかわごう

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サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。「サッカー脳を育む」、「サッカー上達のためのマインドとメソッド」など中村憲剛の著書の構成も担当。