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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第29節・徳島ヴォルティス戦)

 9月18日は鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムで徳島ヴォルティス戦です。

 大きな目標であったACL制覇の可能性がなくなり、選手の中には失望感はあります。しかしリーグは続きます。

 しかも、いきなり5連戦。最初の相手は徳島ヴォルティスです。ポカリスエットスタジアムでの試合は2014年以来ですね。

 韓国から帰国して隔離期間のため、2週間は厳しい制限がある中で準備しなくてはいけません。隔離期間の経験を「思った以上に精神力が削られる」と鬼木監督は話してましたが、この連戦は難しい環境で勝ち続けなくてはいけません。まさに踏ん張りどころなのでしょう。指揮官は強調します。

「今が一番、精神的にも肉体的にもきつい時なのかな。ずっと連戦してきたが、勝ってきたもの(タイトルの可能性)がなくなってしまった。でも、そういうこともあるという話は、今日も選手にしました。ここから隔離がある。思った以上に、精神力が削られる。でもポジティブに捉えれば、ここからの5連戦が本当に重要だと思っています。そこでチームが一つになって戦える環境だとプラスに考えていけば良い。そこはそういう意識でやれればいい」(鬼木監督)

 ありきたりかもしれませんが、いかにACLを引きずらずに、気持ちを切り替えて臨めるか。ポイントはそこになるのだと思います。オンライン取材に対応した登里享平も、そこを重視していました。

「今年、始まる前からACL制覇を目標にしていました。試合後は失望感、悔しさはありました。ただ日本に帰国してすぐに動き始めていて、次に切り替えないといけない。そこはチーム全員で次に向かって切り替えました」

蔚山現代戦ではレアンドロ・ダミアンが交代した後、彼がキャプテンマークを巻いて最後までピッチに立っています。試合前日のACL公式会見に出席したのも彼でした。中村憲剛が引退してからというもの、チームで在籍歴の長い選手としての自覚も積極的に口にするようになっています。だからこそ、チームにおける自分の振る舞いも意識していました。

「自分が年齢は上になってきた。先頭に立つ選手が下を向いていたら、下はついてこない。今まで小林選手がそうしていたように、年齢が上の選手が次に向けて切り替える姿勢を見せないと、ついてこない。そこはしっかりと示していきたいと思います」

大きなものを失った後、どんな姿勢をピッチで示すことができるのか。それが問われる一戦になります。そんな試合の見所を語っていきたいと思います。

なお、ACL・蔚山現代戦のマッチコラムはこちらになります。後日取材による追記も含めて全部で約12000文字の大ボリュームです。よろしくどうぞ→「見上げた高い壁の先」(ACLラウンド16・蔚山現代戦:0-0<PK2-3>)

では、スタート!

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