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「碧色深呼吸。」 (リーグ第12節・名古屋グランパス戦:3-2)

等々力陸上競技場の名古屋グランパス戦は3-2で勝利。

「五月晴れ」でしたね・・・ちょっと暑いぐらいでしたが。

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優勝争いを占う注目の一戦、しかも開催がこのカードのみということで、報道陣も多かったですね。現在はメディアのJリーグ取材申請にもいろいろと制限があって、記者席も間隔を空けて座っている分、座れる座席がいつもより少なくなっているのですが、そのギリギリまで埋まっていた印象でした。

さて。

この名古屋戦の日と試合翌日は、将棋の第79期名人戦7番勝負(渡辺明名人対斎藤慎太郎八段)の第3局目があったのですけど、この名古屋グランパスとの2番勝負も、まるで将棋の盤勝負の近い感覚になりました。

というのも、第1戦となった0-4(第22節)の大敗を受けて、名古屋が作戦を練ってきたからです。何をどう変えてきたのか。そして、そこに川崎フロンターレがどんな対応をしたのか。立て続けに開催されたリーグ戦だったからこそ、そういう駆け引きも楽しむことができましたね。今回は、そういう連続性にもフォーカスして書いたレビューになっています。

試合は勝利しましたが、3-0から2失点を喫したことで、試合後の選手たちには、むしろ危機感が強まったと言います。優勝を占うと言われた天王山の連戦を制した直後にもかかわらず、です。

試合後のロッカールームで、反省点を話し合ったと登里享平は明かします。

「結果的には2勝しましたが、反省の方が多いですね。ロッカールームでも、その辺でも失点シーンや全体の流れもDAZNで確認しながら、選手間でもコミュニケーションをとりながら話しました」

 そして、こうおどけます。

「それで(勝利後の)ツイートが遅れたんですけどね(笑)」

・・・・試合は17時には終わってますが、ツイート時間は17時53分ですからね。確かに遅れてますが、チームの中で「勝って兜の緒をより引き締める」という雰囲気が強いのは頼もしい限りです。

では、そんな試合のゲームレビューです。ラインナップはこちら。

「自分たちが相手に火をつけた。4-0で勝ってこのまま終わる相手ではない。そこで相手を上回る気持ち。そこをメインに伝えました」(鬼木監督)。「こういう結果なので、相手をどうこう言うことではないですが、いつもほど伸び伸びとサッカーをやっている感じではなかったと思います」(ブルーノ・コーチ)。先発を変えない川崎と、名古屋の準備してきた対抗形。

■ボールを持たされたジェジエウと、そこからカウンターを狙うマテウス。第2戦の攻防戦は、なぜ左サイドではなく右サイドで起きていたのか。

■「パスコースを作りに顔を出したら、急にアングルを変えて(シミッチからボールが)来たんです。感覚でスペースに入っていきました」(登里享平)。先制点を生んだCKにつながるシミッチのサイドチェンジは、いかに生まれたのか。注目すべきは、絶妙なポジショニングと息継ぎを見せた田中碧にあり。

■「やっぱりセットプレーですよね。あそこで崩れたと思います」(中谷進之介)。「碧は、強くて素晴らしいボールを供給してくれています」(ジェジエウ)。名古屋のCK対策を上回った球質と、飛んだジェジエウ。

■「3列目から入っていけば、なかなかマークはついていけない。僕自身も嫌なところなので、そこは狙っているところ。今日は結果になって良かった」(山根視来)、「レオかと思って・・・(山根視来だとわかって)『なんでやねん』って普通に言いました(笑)。すごい嗅覚だなと思いました」(登里享平)。緻密な守備組織はイレギュラーな一撃で打ち崩す。もはや「意外性が当たり前」になっている山根視来の思考。

■「前半からタフなゲームだったので、運動量が落ちたのは仕方がないですが、そこでもうまくコントロールしなくてはいけなかった」(登里享平)、「ディフェンスとしてはラインを高く保って相手の陣地内でプレーする」(ジェジエウ)。運動量が落ちた後半、3-0からどう試合を終わらせるべきだったのか。試合後と翌日の選手たちの見解。

以上、6つのポイントで全部で約12000文字です。天王山第2戦目ということで、試合翌日の後日取材も加えてたっぷりと書いておきました。ぜひ読んでみてください。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第12節・名古屋グランパス戦)

では、スタート!

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