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「こぼれおちるもの。掴み取ったもの」 (リーグ第31節・北海道コンサドーレ札幌戦:3-4)

札幌厚別公園競技場での北海道コンサドーレ札幌戦は3-4。

終わってみれば、両チーム合わせて7ゴールが生まれる結果に。そして、あまり
に手痛い敗戦となりました。

先制したのは川崎フロンターレですし、スコアが動くまでは我慢強い試合運びができていました。ややオープンなゲームになりかけながらも、カウンターでマルシーニョを走らせる単機突破だけではなく、複数人が関わった攻撃も徐々に良い形も作れていました。

 例えば26分。自陣でボールを奪い、ゴール前中央で起点を作ると、シミッチが最前線まで飛び出して、ゴールに迫ります。これはシュートに持ち込めなかったものの、シミッチにしては珍しい抜け出しでした。

札幌の採用するマンツーマンディフェンスは、マークマンがハッキリしている分、後ろから走りこんできてくる選手がいた場合、キャッチするまでの時間がないため、その判断に迷うことがあります。フロンターレの中盤の選手はそこを狙っていたのでしょう。

28分にはその飛び出しが功を奏します。家長昭博からボールを受けたマルシーニョが運んでいくと、インナーラップをしたのは登里享平。中央でのパスをヒールで流すと、そこに走り込んだのは、中盤の橘田健人でした。飛び出してきた橘田を相手は捕まえきれず、エリア内でたまらずファウル。これがPKとなり、家長昭博が難なく決めて先制しました。

カウンターやロングボール一辺倒にならずとも、しっかりとボールを保持してポイントを作りながら、複数人が絡みながら押し込んでいけば、チャンスは作れるわけです。あれだけ苦労して獲得した先制点だったにも関わらず、フロンターレはそのアドバンテージをあっさりを手放してしまいます。

そして、試合はここから怒涛の展開になります。何が起きて、あのような激闘になったのか。そして敗れて感じたこと。現地取材で思ったことを書いたレビューになっております。

■「前半に関しては、攻守において少しバタバタしてしまった印象があります」(鬼木監督)。なぜ、想定していたマンマーク対応に苦戦したのか。試合後の会見で訊いてみた。

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