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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(ACL第1節:水原三星戦)


 2月22日は等々力競技場でAFCチャンピオンズリーグ2017グループステージ第1節水原三星戦です。

 2017シーズンの初戦にして、鬼木達監督の初陣となります。
試合前日の練習は、等々力競技場で行われました。全体練習の冒頭15分のみ公開で、あとは非公開で実施。練習後には鬼木監督と小林悠主将による、試合前日会見も行われました。

「今季初の公式戦で日本を代表して戦えることを誇りに思います。ホームで勝利を目指したい」と鬼木監督。質問に対して率直に答えていた印象で、新人監督らしいですね。好感が持てます。小林悠主将は、「早く試合が始まれば良いと思って準備してました」と自信をのぞかせていました。

 今季の公式戦初戦であるため、ポイントはたくさんあります。新加入選手も注目ポイントの一つだと思いますが、なかでも頼もしいのが、ガンバ大阪から移籍してきた阿部浩之。彼はACLの出場経験も豊富で、水原三星とは去年のACLで対戦しています。そうした経験値を踏まえてポイントを、こう話してくれました。

「選手は変わっているが、左のヨム・ギフン中心に良い選手がいる。相手の良さを出させないでこっちの良さを出すのが一番だが、それができない時にどれだけチームとして、しぶとい戦い方ができるか。韓国勢、中国勢にはそういうところをしっかりしておかないとやられてしまう。まずは失点しないこと。そこがACLのポイントになると自分は思ってます」

 そしてもう一人。ここにきて急上昇してきたのがハイネルです。アタッカーだとばかり思っていたのですが、「ハイネルはスルーパスうまいですよ。キャンプのときからずっと思っていた。出すタイミングとか、股を抜いて出したりするので、抜け出しやすいです」と田坂祐介。ACL前の紅白戦では、オーバーラップしてきた田坂祐介に、素晴らしいスルーパスを通して得点をお膳立てしていました(田坂のオフサイドでしたが)。まだまだ謎が多いハイネルですが、エウシーニョの離脱により、右サイドでのチャンスが巡ってくる可能性は高そうです。こちらも楽しみです。

 当然ですが、水原三星は手強い相手です。
キャンプで取り組んできたことはもちろん、やるべきことをやった上で、我慢も必要な試合展開になると見ていいでしょう。それを踏まえた上で、この試合の見どころについて語っていきましょう。

ポイントは5つです。

1.流動型か、推進力型か。前線の組み合わせはどうなる?気になる初陣の予想スタメン。

2.「体と頭がしっかりと起きてからトレーニングに励めている」。トレーニングメニューを通じて小林悠が感じている、チームとしての取り組みと変化。

3.「細かいところもすごく言われるので、かなりやっているほうだと思います」(車屋紳太郎)。緻密に作り上げてきた守備陣のライン統率を任されているのは、新加入の舞行龍ジェームズ。彼が意識してきたこととは?

4.勝利のカギを握るのは、やはりフリーダムな中村憲剛。ポイントは、「いかに相手を困らせるか」にあり。

5.開幕戦だからこそ、あえて指摘しておきたい。新しい変化の中でも忘れてはいけない戦い方の優先順位の話。

 以上5つのポイントで、全部で約8000文字で、試合の見どころをディープに語っております。読み応えはあると思うので、どうぞよろしくお願いします。

では、スタート!

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