「NOT FOUND」 (リーグ第26節・北海道コンサドーレ札幌戦:0-2)
等々力陸上競技場での北海道コンサドーレ札幌戦は0-2。今季リーグ戦2敗目を喫しました。
札幌の守備が、人に対してタイトに掴まえにくるのは事前に予想していましたが、想像していた以上にマンツーマン戦法を徹底してきました。
場所(ポジション)を捨ててでも、とにかくマンマークで守る。リスクを覚悟して、足元を経由するビルドアップを遮断してきました。
フロンターレには、個人で剥がせる技術のある選手もいますし、出して、動くの連続で展開していけば、マンツーマンを機能不全にするのはそれほど難しいわけではなかったはずです。それでも、この日の札幌は、勇気を持って前でボールを奪い切るためにやり続けてきました。
試合後のオンライン記者会見で、ペトロヴィッチ監督が胸を張ります。
「個の能力、コンビネーションに優れた川崎に対して後ろを同数で守るのは、少しクレイジーな部分もあるかもしれません。ただ我々はよりアグレッシブに、前で守る。そして奪ったら、それでゴールに迫る。そうした戦い方をやってくれたと思います」
この「個の能力、コンビネーションに優れた川崎に対して後ろを同数で守るのは、少し〇〇な部分もある」と話していたくだり、最初は〇〇の部分がなんて言っているかよく聞き取れなかったんです。文字起こしのために2〜3回、録音を聞き直してみたら、明らかに「クレイジー」と言っておりました・笑。
確かに「狂気」が必要だったのかもしれません。
もしかしたら指揮官の中でも、一か八かギャンブル的な要素もあったのかもしれないですし、そこに突っ込んでいく決断には「クレイジーな部分」も必要なのかもしれません。
そして、やるのは選手です。その覚悟を最前線で発したのが、ゼロトップの荒野拓馬でしょう。彼の中には、ホームでのフロンターレ戦、1-6で大敗していたあの悔しさがあったと言います。
「ホームでは大敗してしまったのでアウェイではしっかりみんなで悔しさを晴らそうと。前回のG大阪戦も負けてしまったので、連敗をしないように『みんなで戦うぞ』という強い気持ちを持って入った。しっかり無失点に抑えてカウンターから2点を取れて良かったです」(荒野拓馬)
札幌の選手たちは、普通の試合とは違う強い気持ちで臨み、マンツーマン戦法を覚悟を持って遂行してきました。
もしかしたらフロンターレの選手たちは、札幌の選手たちがそこまでの強い思いをぶつけてくるとは思っていなかったかもしれません。そして、この試合ではそれ以外にも、いくつもいつもとは違うことが、フロンターレの選手にはありました。
レビューでは、その辺を中心に書いております。あと「そもそもマンツーマン戦法ってなに?」って話も書いておきました。
今回のラインナップはこちらです。
■驚きだった、原則を崩した川崎のキャスティング。そして試合が始まってから起きた誤算。
■いつもと違うタスクに奔走させられていた脇坂泰斗。そして、なぜインサイドハーフコンビは機能不全に終わったのか。
■「この戦い方は運動量、球際、1対1の強さ、予測、集中力といろんなものが必要になります」(ペトロヴィッチ監督)。札幌が遂行したマンツーマン戦法とは?そして選手たちに問われ続けていた、局面での球際と心理戦。
■「札幌さんがタイトにきている中でスペースがすごくあったが、自分たちにミスがあったことでパスをつなぐことができなかった」(レアンドロ・ダミアン)。打開策がなかったわけではない。足りなかったのは、流れを変えるメッセージを発するプレー。
■サッカーは様々な要素が絡み合い、それがピッチに現れる。今季2敗目に思うこと。
■「あの光景は、一生忘れない」。ケンゴが深く心に刻み込んだ、等々力の光景。(回想コラム:2014年)
■(※追記:11月6日)「ソンリョンが来てくれて優勝できた。そこは大きな感謝とリスペクトがある。そう言ってもらいました」。ソンリョンが明かしたケンゴからの言葉。彼との思い出と、強く口にした優勝することの重要性。
以上、7つのポイントで約13000文字です(※11月6日に追記しました)。ぜひ読んでみてください。
ない、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第26節・北海道コンサドーレ札幌戦)
では、スタート!
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