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「運命は勇者に微笑む」 (リーグ第30節・横浜F・マリノス戦:3-1)

等々力競技場での横浜F・マリノス戦は3-1で勝利。

終盤まで1-1で進む中、最後に劇的な展開で突き放しました。久しぶりの等々力劇場を味わえましたね。

 決勝弾はセットプレーのセカンドチャンスから生まれます。クリアボールを拾って旗手怜央が素早くダイレクトでクロス。ゴール前に残っていたのは、奇しくも、ジェジエウと谷口彰悟のセンターバックコンビでした。

「まずはレオ(旗手怜央)のワンタッチのクロスの質が非常に高かった」と谷口彰悟。そのクロスが弾かれたボールに素早く反応したのは、ジェジエウでした。一度、右足で弾かれたボールを、粘って左足でねじ込んでゴールネットを揺らしています。

 試合後、ジェジエウは「チーム全員でねじ込んだゴールだったと思います」と胸を張ってましたが、ほとんど気持ちというか、もうなんというか・・・・タマシイでねじ込んだゴールでしたね。

 そして三笘薫の圧巻のカウンタードリブル突破から勝利を決定づける3点目を小林悠が決めて歓喜の輪が出来た時、ふと自陣に目を向けると、守備陣が一斉にその場でへたり込んでました。

ほんの数秒前まではそこのエリアでギリギリの攻防戦が繰り広げていたわけで、彼らの頑張りがあったから、三笘薫のカウンターからのお膳立ても生まれたわけです。まさに死闘の果てに、全員で掴んだ勝利だったと思います。

 それにしても、神奈川ダービー史に残る激闘だったと思います。谷口彰悟が振り返ります。

「正直、10人になっても強かったな。それがシンプルな感想です。10人ですが、前には2枚残していて。そこで前がかりになったが、そこの隙は常に狙ってきていた。勝たないといけないのはありましたが、そこの一発の怖さも常にあった。集中していないとやられるし、決定機は何回か作られた。シンプルに上手いなと。僕らも学んでいけるところはあった。そういう相手を最後の最後、しっかりと差をつけられたのは良かったと思います」

 さすがディフェンディングチャンピオンという強さでしたが、そんな強い相手を超えることができました。これでシーズン2戦2勝のダブルを達成。去年の借りは少なからず返せたのではないかと思います。

では、その激闘を振り返っていきたいと思います。ラインナップはこちらです。

■「4-3-3のシステムの中で、前から奪おうとすると、どうしても一人、相手がフリーになる状態が出てくる。いかにそこに出させないようにして同数に持っていくのか」(守田英正)。我慢を強いられた前半の守備対応。そして両WGに長谷川竜也と齋藤学を起用した明確な狙い。

■高いレベルで勝敗を分ける、たった一つの要素とは?

■「それでやられたら、それはそれだろうと、そういう気持ちはありました。そのためには、勝ちきるためには何か。それを前面に押し出すためには何が必要か。結局、何が後悔しないのか」(鬼木達監督)、「次の45分で守備的に守ることはできるが、自分たちは自分たちのサッカーを貫いて続けてやっていこうということ」(ポステコグルー監督)。名勝負を生んだ背景にある、両指揮官が貫き続けた強気の決断。

■「ダイレクトで打とうという決断をして、抑えることができたので、枠に入ってよかった」(三笘薫)。「まずはレオ(旗手怜央)のワンタッチのクロスの質が非常に高かった」(谷口彰悟)。圧巻の三笘タイム。そして、優勝を本気で目指す執念が引き寄せた決勝弾。

■「チープな言い方かもしれないけど、宏樹さんは等々力の神様に愛されていたと思っている」。初優勝よりも前に、中村憲剛が等々力で泣いた日。(回想コラム:2013年)

以上、5つのポイントで全部で約9000文字です。試合翌日の取材も加えたレビューになっております。よろしくどうぞ。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第30節・横浜F・マリノス戦)

では、スタート!

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