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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・清水エスパルス戦)

5月12日はIAIスタジアム日本平で清水エスパルス戦です。

今節対戦する清水には、昨年まで所属していた右サイドバックのエウシーニョがいます。エウソンと敵として対戦するのは不思議な感覚がありますが、そこは本文でたっぷりと書いています。

そしてもう一人。2012年から2015年までの4シーズンに渡ってフロンターレのゴールマウスを守っていた西部洋平の先発出場も噂されています。フロンターレの選手も対戦を楽しみにしているようで、西部洋平の話題を振られた小林悠は、表情をほころばせます。

「嬉しいですね。西部さんは兄貴分で、男としてもかっこ良かった。ご飯もよく連れて行ってもらいました。大人だし、チームのことを考えてくれる熱い人で、後輩に対してもズバッと言ってくれる。あと初めて見たときの身体能力の高さは衝撃的でしたね。『それに届くんだ!』って。身体能力でプロになったのはこういう人なんだろうな、と。(※西部洋平は高校からサッカーを始めて、高卒後にプロになったことで有名)」

選手としてだけではなく人間としても尊敬しているようでしたが、ストライカーである小林は、その西部洋平が守るゴールマウスを揺らさなくてはなりません。そこに向けて、どうするのか。登里享平がロッカーでのこんな裏話を冗談で明かしてくれました。

コバくん(小林悠)が章太くん(新井章太)に『洋平さんの弱点、何?』と聞いてけど、弱点なかった(笑)。(出場すると)300試合なんですよね。洋平さんが出ると(チームが)締まるし、ピリッとした感じがありますよね」

 弱点のない西部洋平が守るゴールマウスをどうこじ開けるのかは見どころです。そしてベンチにもチョン・テセや楠神順平といった元フロンターレ選手がいる可能性もあります。楽しみですね。

では、試合の詳しい見所を語っていきたいと思います。今回のラインナップはこちらです。

1.「うまく、強くしていく。そこは、おろそかにしてはいけないという思いがあります」(鬼木達監督)。中村憲剛、阿部浩之、車屋紳太郎、知念慶・・・・続々と復帰し始めた主力選手たち。今週のトレーニングから読み取れる、指揮官が大事にしていること。

2.「顔を出せる局面は限られてくるかもしれないですけど、その中で自分の良さを最大限に出したい」(脇坂泰斗)。ブロック崩しの肝となるのは、中と外の使い分け。そのカギを握るのは、両翼にあり。

3.「エウソンがあれだけ動けば、逆にそこが空く。僕らはそこを自由にやらせてカバーする側だったので(苦笑)」(守田英正)。神出鬼没だからこそ、付け入る隙もある。整備されていない清水のエウシーニョ・システムの狙いどころとは?

4.「押し込めれば、エウソンの存在自体を消せると思う。守備が得意な選手じゃなくて、攻撃が好きな選手なので」(齋藤学)。左サイドコンビに求められる攻守の駆け引き。左から主導権を握れれば、得点が生まれる理由が、そこにはある。

5.「今でいうと、カズ、マギーニョ、ラルフがそれぞれの良さを出してくれている」(鬼木監督)。「出ているうちに早急に成長しないといけないという危機感もあります」(馬渡和彰)。馬渡和彰が、右サイドで向き合い続けてきたものとは?

 以上、5つのポイントで全部で約10000文字です。なお、このプレビューを執筆していた試合前日の5月11日は、わたくし・いしかわごうの誕生日でした・笑。朝から取材に行き、夜までプレビューを執筆して過ごし、サッカーライター冥利に尽く1日でした、えぇ。泣いてませんよ。そんな渾身のプレビューを読んでもらえると幸いです。

なお、ACLのマッチコラムはこちら。→デザインされていた同点弾と、魂で決めた逆転弾。そして、それでも勝ち切れなかった事実に向き合うこと。(ACL第5節・上海上港戦:2-2)

前節の仙台戦のレビューはこちらです。→「自分たちの土俵」に持ち込んで攻守で圧倒する。躍動する若手たちが示したフロンターレの未来。(リーグ第10節・ベガルタ仙台戦:3-1)

リーグ5連勝をかけた一戦です。では、スタート!

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