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「シーソーゲーム 〜勇敢な大砲の歌〜」(リーグ第15節・ヴィッセル神戸戦:3-2)

 等々力競技場でのヴィッセル神戸戦は3-2で勝利。

一般的に、サッカーで一番面白いスコアは3-2だと言われていますが、シーソーゲームを制しての勝ち点3となりました。

そしてこの9月、前年度のリーグを制覇した横浜F・マリノスと、天皇杯を制したヴィッセル神戸を倒した意味は大きいと思っています。


 思えば、去年の等々力ではヴィッセル神戸に「力負け」をしたような敗戦でした。その要因の一つが、昨シーズンからアジア枠が撤廃されて、出場できる外国人枠が最大5人(J2、J3は4人)に変更されたことにあったと個人的には思ってます。

 これによって、センターラインやチームの骨格を、外国籍選手で成立させたチーム作りも可能になったんですね。実際、そうやって強化していくクラブの強さが目立つようになりました。ヴィッセル神戸はその象徴的なチームで、去年の第27節のヴィッセル神戸戦(1-2)では、ダンクレー、トーマス・フェルマーレン、セルジ・サンペール、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャの5人が先発。

 そこにドイツ帰りの元日本代表・酒井高徳もいるわけで、ベストメンバーが揃ったときのチームパフォーマンスはハイレベル。フロンターレとしても「力負け」を認めざるを得ないクオリティでした。実際、噛み合った時の神戸のパフォーマンスは素晴らしく、その年の天皇杯を制覇しています。

去年、リーグを制覇した横浜F・マリノスもそうですが、そういう外国人中心のチームにどう立ち向かっていくのか。

 それが今年のテーマだったはずですが、今年はコロナの影響で、過密日程になり、交代枠5人にルール変更。それに伴い、今年はチーム全体の総力戦になりました。そこでフロンターレは強さを見せ続けていますが、それによって、自分たちの方向性の正しさを証明できているのではないかと思います。

そんな話と、試合の分析を含めてレビューではたっぷり語ってみました。ラインナップはこちらです。

■大勝劇の再現を狙った川崎のメンバー編成と、強気のハイプレス&マンツーマン戦法。そんな問いかけに対して、神戸はどんな対抗策で回答したのか。

■「自分たちがプレスをかけさせられたというか、擬似カウンターを狙われたような形になった」(守田英正)。苦戦の要因は、擬似カウンターを発動させたハイプレスの機能性ではない。そこにあった意外な落とし穴とは?

■「今年は5人交代というルールで、スタート、サブという枠組みだけではないというか、誰が出ても力を発揮できるのが良いところだと思ってます」(守田英正)。リーグを制覇した横浜F・マリノスと、天皇杯を制したヴィッセル神戸に勝った意味。

■「爪痕を残したい」、「結果を出していけないといけない世界なので」が口癖だった宮代大聖が等々力の夜に残した大きな爪痕。待望の初ゴールで、彼の中で何が変わるのか。

■(※9月11日追記)「狙いがあった中で、自分たちのゲームにできなかったのは少し残念です」(鬼木達監督)。二日過ぎても、「すごく難しい」と指揮官が解釈している試合内容。狙い通りだった局面と、誤算が生じていた局面はどこだったのか?

以上、4つのポイントで約12000文字(※9月11日に追記しました)です。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第15節・ヴィッセル神戸戦)

では、スタート!

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