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獲るべくして獲るために。 / 試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(ルヴァンカップ決勝・セレッソ大阪戦)

 11月4日は埼玉スタジアム2002で、JリーグYBCルヴァンカップ決勝・セレッソ大阪戦です。

 今週はオフ明けの火曜日から木曜日まで麻生の練習場に毎日通い、埼スタでの前日練習取材と全力取材を行ってきました。

 このプレビューを書くにあたって、今シーズンのチームの変遷を自分なりに振り返って、あれこれと考えてみました。

 たくさんのターニングポイントがあったなぁと思いつつも、中でも強く思い出されたのが、風間体制でのラストゲームとなった元日の天皇杯決勝戦後のことでした。敗戦後のミックスゾーン、キャプテンの中村憲剛が、こう語って前を向いていたんです。

「また新しいフロンターレを作っていかなくてはならない。オニさん(鬼木達)になってチームは継承していくが、オニさんの色も出る。足りなかったものを突き詰めていく集団にできるようにやっていきたい」

 あのとき、足りなかったものとは何だったのか。
鬼木フロンターレの歩みは、まさにそこを追い求め、突き詰めていく戦いだったとも言えると思います。そして、ルヴァンカップ決勝のピッチで、チームとしてそれを表現してほしいと思います。

 冒頭で色々と語りたいこともあるのですが、ファイナルですから、サラリと本題にいきたいと思います。今回のラインナップはこちらです。

1.大島僚太、阿部浩之、チョン・ソンリョンが復帰。指揮官が決勝のピッチに送り出す顔ぶれはいかに・・・・気になる予想スタメンは?

2.いつも通りにやるために必要なのは、「中盤でボールを握ること」。「そこをチーム全体で理解した上でポジションを取ってやれればなと思います」。決勝に戻ってきた大島僚太が語る攻防のポイントと、天皇杯決勝のピッチには立てなかったエドゥアルド・ネットが語るタイトルへの思い。

3.「こっちのサイドは水沼選手がシンプルにクロスを上げてくる。そこの精度も高いし、警戒しないといけない」(車屋紳太郎)。「怖がってズルズルと引かないこと。強気のラインコントロールをすることが大事だと思います」(谷口彰悟)。守備のポイントはサイドにあり。タレント揃いのセレッソ攻撃陣を沈黙させるために、必要なこととは?

4.「守備のところでのハードワーク、球際のところ。それをオニさんが植え付けてくれている。守備に関しても拠り所がある」(中村憲剛)。鬼木フロンターレが、今年の戦いで積み上げてきたもの。そして、決勝という舞台の拮抗した展開で勝負を分ける2つのポイントとは?

5.「場の雰囲気は覚えていますね。何か縁があるのかもしれないし、あのときの悔しさを忘れずに戦えたらと思う」(三好康児)、「2007年のことはだいぶ覚えていますね。感慨深いですよね。まさか一緒に行っていたオニさんが監督になって、自分がプレイヤーとして迎えるとは」(板倉滉)。三好と板倉が語る「あのとき」の記憶。そして、獲るべくして獲るために。

 以上、5つのポイントで約9000文字です。チケットはすでに完売。天気も良さそうですし、埼スタは6万人以上で埋まることでしょう。「6万人?最高じゃないですか」と、板倉滉は目を輝かせていました。両チームのサポーターがどんな雰囲気を作ってくれて、そのピッチで選手たちがどんなプレーを見せてくれるのか。楽しみです。

では、スタート!

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