第48号:お金を使うか。それとも、お金に使われるのか。フジテレビ深夜に放送されていた「百萬男」の思い出を語る。
でんでーん、いしかわごうです。
今回はサッカーの話ではありません。
ちょっとお金の話をしたいと思います。
よく「宝くじが当たったら何を買う?」なんて語ることって
あるじゃないですか。
三億円というのはまず現実的ではないので自由に語りますけど、例えば、もしこれが百万円だったら、どうですかね?
俄然、現実味を帯びて真剣に考えたりしませんか?
当時2000年ぐらいですけど、フジテレビ深夜に「百萬男」というバラエティー番組がありました。
企画・演出は、おちまさとさん。
ざっくり説明すると、街行く男性に突然現金で百万円を渡して、5時間以内に使い切ってもらう。それだけの企画なんですけど、突然渡された大金をどう使い切るか・・・その人間性を観察する番組でした。
ルールとしては、時間内に使いきれなければ全額返金。
百万円は自分のために使わなくてはダメ(恋人や家族のプレゼントはNG)、ギャンブルや借金返済なども禁止。
つまり、基本的には物を買わなくてはいけないわけで、「その人は何を買うのか」が見どころでした。
たいていの行動パターンは、とりあえずビッグカメラなどの量販店に行き、ノートパソコンだったりDVDレコーダーなどの電化製品を買うんですよ。
ただし、それでもまだ70〜80万円が残っている。そうなると制限時間内のルールに焦り出し始め(使い切れないと全額負担になる)、そこから高級スーツだったり、高級時計など高額なブランド品を求めていくんですけど、次第に冷静さを欠いて、気づいたら、すっかりお金に振り回されていくんですね。
それと同時に悩むんですよね。「本当にこれは欲しかったのだろうか?」と葛藤したり、「こんなに贅沢をしてもいいのだろうか?」と自己嫌悪に陥ったり・・・・。
お金を使うか。それとも、お金に使われるのか。そこで描かれる心理描写が実にリアルで、面白い番組でした。
お金の価値観が変わりそうで怖いという理由で、途中でリタイアを申し出る若者もいましたし、湯水のごとく使い切って、「300万円でも余裕ですね」と言ったチャラ男もいました。
そしてエンディングに、お金の使い方をMCから総括され、「彼はお金のことなんて、何もわかっていない!」と一喝されます。
「自分だったら、こう使うなー」とか、 「お金って一体何なんだろう?」と考えさせられる番組でした。
もともとは、当時はウッチャンナンチャンの番組で「これができたら100万円!」という企画だったり、クイズ番組の賞金が100万円だったりすることが多かったものの、「100万円をもらった、その後」を伝える番組がなかったことが、
この番組が生まれたヒントになったそうです。
昔、おちまさとさんと話す機会があったんですけど、この番組のファンだった僕は、「百萬女ではなく、百萬『男』にこだわる理由ってあったのですか?」と聞いてみたことがあります。
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