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「最後まで特別なことを起こさせなかった彼らに乾杯。」 2021.8.29 プレミアリーグ第3節 リヴァプール対チェルシー:1-1

第3節のリヴァプール対チェルシー。注目のビッグマッチは1-1で決着となった。

ファン・ダイク対ルカクを中心に見所がたくさんある試合だったが、前半終了間際のリース・ジェイムズのDOGSOによるPKと退場によって試合の構図が大きく変わった一戦に。後半は10人で守るチェルシーがルカクのカウンターをジャックナイフのようにちらつけせながらも、守りきる展開でしのいだ。

そういう意味で言えば、この見所は11人での戦いになった前半だったと思う。

満員でテンションもフルボルテージのアンフォールド。
ちょっとしたパスカットでも、ビッグチャンスのように一斉に沸くリヴァプールのサポーター。その圧力に「特別なことは起こってないですが、特別なことが起こっているように感じるんです」と語る実況の下田恒幸アナ。

実際、9分のアレクサンダー・アーノルドの逆サイドの展開に、ヘンダーソンが飛び込んでいくチャンスを作る場面など、奪ってからスピーディーかつダイナミックにゴールに迫る場面などはど見ていて気持ちが良い。攻守の切り替えの早さと、球際の強度、どれを切り取ってもハイレベルな攻防に、解説の戸田和幸さんも「スリリングですね」と楽しそうだった。

劣勢ながらもCKで先制したチェルシーは、5-2-3の形で、前線3人が牽制しながらも、ガッチリと守る。

リヴァプールが狙ったのは、カンテとジョルジーニョのダブルボランチの脇にできるスペース。エリオットがそこのエリアで受けて起点を作ろうとするが、チェルシーもセンターバックが前に出て行って、潰そうとする。

一方、中央ではフィルミーノが中盤で落ちて受けようとすると、センターバックのクリステンセンがマンマーク気味についていく。ただクリステンセンが出て行けば、最終ラインのギャップはできるので、そこのスペースをサラーとマネがサイドから狙っていく。ここら辺の両者の攻防は実に面白かった。その意味で11人同士の戦いを90分見たかった気もする。

アンフィードの大観衆の声援をため息に変えながら、10人で守りきったチェルシーは見事だったと思う。特別なことを最後まで起こさせなかったのだから、チェルシーにとって大きな勝ち点1だった。勇敢だった彼らに乾杯である。


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