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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯準々決勝・鹿島アントラーズ戦)

10月27日は等々力陸上競技場で天皇杯準々決勝・鹿島アントラーズ戦です。

 意外にも、鬼木達監督になってから天皇杯という大会で鹿島アントラーズと対戦するのは、これが初めてとなります。


 チームとして直近の対戦は、2017年元日の決勝戦で、風間八宏前監督のラストゲームです。鬼木監督からすれば、風間前監督のもと、コーチとして臨んだラストゲームでもありましたね。この時は延長戦の末に1-2で敗れて、悔しい準優勝に終わっています。

 今回の囲み取材ではなく、これは去年(2020年)の天皇杯決勝前の囲み取材での話ですが、鬼木監督にあの当時の元日決勝の記憶を聞いてみたことがあります。

 翌シーズンから監督として就任することが決まっていた中で迎えた鹿島との天皇杯決勝戦でしたし、あの元日決勝を経て、何が足りなくて、何を埋めようと思ったのか。そこに「鬼木イズム」が表現されていると思ったからです。

「やり続けられるかどうか、戦い続けられるかどうかですよね。あとは一瞬の隙のところ。そういうものは、ある意味、あの試合に限らず、ずっと(チームに)感じていたものでもありました。特にああいう勝負強いチームにやったときは、隙のところや我慢強さの部分が顕著に現れる。そこは自分が(監督就任の)一年目から言い続けてきています。そこを大事にしながら、元日も戦いたいと思います」

 なるほど。鬼木監督のチーム作りの根底として大事にし続けていたのは、「隙を見せない」、「我慢強さ」という部分を埋める側面だったと言えるかもしれません。このとき、「そこは4年で植えけたのでは?」と水を向けたのですが、そんなに簡単じゃないですよ、という表情でコメントしてくれました。

「植えつけたかどうかはわかりませんが、人間なのでポロポロと忘れてしまうこともあります(苦笑)。でも、言い続けてはいますね。四年間、言い続けているので、意識としてはみんな持っていると思います。そこを出し続けながら戦う必要はあると思います」

 そして決勝戦となったガンバ大阪戦では、隙を見せない我慢強さで1-0の勝利。元日に天皇杯を初制覇して始まった2021年は、紆余曲折がありながらも、去年の勝ち点数を超える数字を叩き出してリーグ連覇に王手をかけました。

 そこから中二日で迎える天皇杯。
相手は鹿島アントラーズ。今季リーグ戦で連敗していることにリベンジの気持ちをぶつけてくるでしょう。鬼木監督も強い警戒心を口にします。

「対鹿島というものに対しての意識はあります。一発勝負の強さを持っているチームなので、そこは自分たちがより強気でやっていかないと、なかなか勝たせてもらえないと思っています」

それでは試合の見所を語っていきたいと思います。

なお、前節のレビューはこちらです。→「走れ正直者」 (リーグ第33節・清水エスパルス戦:1-0)

ではスタート!

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