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嵐の勇者。 (リーグ第6節・浦和レッズ戦:5-0)

埼玉スタジアム2002での浦和レッズ戦は5-0。

終わってみれば5得点。拮抗していた前半の試合展開からすると、思わぬ大勝となりました。

5得点はどれを見てもファインゴールでしたが、追加点となったレアンドロ・ダミアンのバイシクルシュートは見事でしたね。胸トラップでボールを浮かしながら、その落下に合わせて豪快な一撃。まさに圧巻でした。

試合後、オンライン取材に対応したダミアンは、あのゴールをこう振り返っていました。

「悠が素晴らしいセンタリングを自分に供給してくれました。あの瞬間、前に出ようと思ったのですが、ボールが後ろになったので、あのようなバイシクルシュートになりました。小さい時からバイシクルシュートはやってきたので、それでうまく体が動いたのではないかと思います」

 レアンドロ・ダミアンといえば、パワフルかつアクロバティックなゴールが多いことでも知られています。とっさとはいえ、やろうとしないとできる動きではないですから、昔からこうしたプレーをよくやっていたのだと思います。

 そういえば、去年の開幕戦だったサガン鳥栖戦(0ー0)でのこと。
後半にダミアンがゴールを決めた時、ゴールパフォーマンスとしてジェジエウとカポエイラをやっていました(ちなみに去年の開幕戦はVARが導入されており、このゴールはVARの結果、取り消しとなっております)。

 カポエイラとは、体をくねくねと使いながら攻撃をするブラジルの格闘技なんですけど、見た目にはブレイクダンスみたいな動きをします。足もかなり高く上げるので、なかなかアクロバティックな動きになります。もしかしたら、それがダミアンのアクロバティックなプレーにもつながっているのかな、などと思ったほどです。だって、豪快なシュートが多いズラタン・イブラヒモヴィッチが、幼少期にテコンドーをやっていたというエピソードは有名じゃないですか。

 去年、あのカポエイラについて聞く機会があったので聞いてみたことがあります。「日本でいう空手じゃないですけど、子供の時にやっていましたね」とのことで、習い事のような感覚でやっていたようです。

じゃあ、ズラタン・イブラヒモヴィッチみたいに、きっとあの身体の使い方がサッカーのプレーにも生きている部分もあるんだろうなぁ・・・と思っていたのですが、「ないです。ゴールパフォーマンスでやっただけです」と笑ってました。うん、カポエイラとサッカーは関係ないよ!!!

長々と書いてしまいましたが、本題はここからです。

■あっちにも、こっちにも田中碧。そして微調整したプレッシングの掛け方。

■「前半は相手のサッカーをされて、自分たちが動かされてたシーンがいっぱいあった」(旗手怜央)。浦和の狙いにされていた左SB・旗手怜央。攻撃で手詰まりにさせられた前半の左サイドの攻防戦を読み解く。

■「アキ(家長昭博)を連戦で使っていたので、そこのところでフレッシュな選手を。後は試してみたいところでもありました(鬼木監督)、「右のワイドに入ったけど、クロスに入っていくのが自分の特徴」(小林悠)。時間を作る家長昭博と、手数をかけずに仕留める小林悠。右ウイングの起用法で示した、前節の宿題に対する指揮官からの回答とは?

■「自分たちが目指しているようなサッカーを後半にできた」(旗手怜央)。なぜ後半の旗手怜央は、関根貴大の前ではなく背中に現れ始めたのか。浦和守備陣を後手に踏ませたサイドの勇気と推進力と、勝利を決定付けた3点目。

■「説明のできないことが起こってしまった」(リカルド・ロドリゲス監督)。敵将を呆然とさせた4分間の3得点。王者が見せた、強者としての畳み掛け。

■自分の限界を作らない。日本代表に追加招集された脇坂泰斗が、中村憲剛の背中から学んだこと。

以上、6つのポイントで全部で約10000文字です。前節の神戸戦から何を改善していたのか。そして前半と後半で何が変わって、こういう結果になったのか。そんなところを丁寧に書いてみました。ぜひ読んでみてください。

なお、プレビューはこちらです。答えあわせにどうぞ。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第6節・浦和レッズ戦)

では、スタート!

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