見出し画像

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第34節・FC東京戦)

 11月5日は、味の素スタジアムでのFC東京戦です。

 泣いても笑っても、2022シーズンのJリーグ最終節を迎えました。

まず嬉しいのは、この最終戦まで優勝の可能性が残ったという事実です。なにせ約一ヶ月前、第31節のコンサドーレ札幌戦で逆転負けを喫した時は、首位・横浜F・マリノスに勝ち点差8をつけられました。優勝の可能性が絶望的になったと言っても過言ではありませんでした。

 あの試合で印象的だったのは、右膝を負傷しながらも最後までゴールマウスに立ち続けたチョン・ソンリョンです。普段は決して熱くならない彼が、試合後にキーパーグローブを地面に叩きつけるほどの感情を見せたほどでした。あれはどれほどの悔しさだったのか。そして、その後の右膝内側側副靱帯損傷により、全治4週間と診断されています。

 それでも必死にリハビリをこなして、前節のヴィッセル神戸戦で復帰。見事な勝利で飾っています。「(復帰は)多少早かったと思いますが、グラウンドの中での強い気持ち、意志を持っていました。自分自身だけでなく、スタッフやトレーナーのサポートがあったことで、早く復帰できたと思います」と本人は涼しい顔で語っていますが、一体どんな気持ち、強い意志でこの一ヶ月を過ごしていたのか。

 こちらがそれを尋ねてみると、彼は2017年の初優勝を引き合いに出して、「自分たちを信じた」と話し始めてくれました。

「2017年の初優勝のときも勝ち点差がありました。それでも自分たちを信じて、1試合1試合信じてやるだけでした。今回もそのような状況ですが、横浜F・マリノスがとどまってくれて僕らの可能性が広がった。自分だけではなく、フィールドも含めて全員が、試合に出る出ないに関係なく、いい準備をしてきたからこそ、この結果が生まれたと思います」

自分たちを信じ、やり続けたことで、もしかしたら何かが起こせるかもしれない。それは、ここにきて選手たちが口々に話している言葉でもあります。

・・・・優勝できるのか、優勝できないのか。

首位・横浜F・マリノスが負けなければ逆転優勝はできません。だから、優勝できるのか、優勝できないかなんて、誰にもわかりません。でも、わからないから、掴めるかどうかを目の前の試合に全力を尽くして、それを確かめるとも言えます。

そんな運命の最終節の見どころを語っていきます。

(こちらは前節のレビュー&カタールW杯代表選出ドキュメントです)

では、スタート!

■「最後の大一番というのは1人ひとりが理解しています」(脇坂泰斗)。逆転優勝のかかった最終戦。CBは車屋紳太郎かジェジエウか。大島僚太の先発はあるのか。気になる予想スタメン。

ここから先は

8,505字

¥ 200

ご覧いただきありがとうございます。いただいたサポートは、継続的な取材活動や、自己投資の費用に使わせてもらいます。