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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第32節・サガン鳥栖戦)

12月12日は駅前不動産スタジアムでサガン鳥栖戦です。

リーグ戦は残り3試合。

優勝はすでに決まっている中での試合なので、目の前の一戦の勝利を目指しつつ、いくつかのリーグ記録更新を狙う戦いにもなりつつあります。

現在、川崎フロンターレが狙っている記録の一つが、リーグ最多得点記録です。前節の清水戦で2得点を加え、現在は81点。リーグ最多記録は、2006年の川崎フロンターレが記録した84点です。

今年、あれだけ点を取っているにも関わらず、それでもまだ追いつかないわけです。

・・・・2006年の川崎フロンターレは、一体どれだけ攻撃的だったんだ??

当時はJ1復帰した2年目のシーズンで、開幕戦で6-0と圧勝すると、続く第2節も7-2で大勝。開幕2試合で13得点というJリーグ新記録を打ち立てる、最高のスタートダッシュをしました。

ジュニーニョや我那覇和樹といったストライカーが爆発したのは言うまでもないですが、中盤では中村憲剛とともにボランチを組んだ谷口博之も急成長。「そこにタニ」と呼ばれる神出鬼没な飛び出しで得点を量産し、結局、中村憲剛と谷口博之のボランチはともに2桁得点を記録しました。

・・・2トップがそれぞれ2桁得点でも十分なのに、3列目のボランチコンビが揃って2桁得点を記録しているのは理解不能です・笑。

もちろん、ボランチがこれだけ得点に絡むのだから、大変だったのは最終ラインです。当時は3バックで「川崎山脈」と呼ばれていた時代ですが、中村憲剛が「後ろの3人には迷惑をかけましたけど」と苦笑いしていたこともありました。なお、当時の関塚監督は中村憲剛と谷口博之のダブルボランチなので、後ろをスリーバックにしたそうです。

ちなみに2006年といえば、鬼木達監督が現役最後のシーズンでもあります。

当時の攻撃力の記憶について、鬼木監督に聞いてみたところ、「今とは違う形の破壊力ですね。その分、点も取られていたので(笑)・・・ただ、その辺の面白みはあったのかなと」と少し苦笑いしていました。点を取れるけど、取られもする・・・言うなれば、殴り合い上等の時代ですね。

そして2020年。Jリーグ史上最強とも言われつつある現在のチームについては、攻撃力と守備力を両立させていることを評価しています。

「自分たちが進んでいる中でいうと、今は攻撃でも守備でも魅せるというところで、そこの両方をやってくれている選手たちには感謝しています。やはりそこの両方をやることに意義があると思っています。自分たちの記録は自分たちで塗り替えていきたい」

今のチームは、攻守ともに洗練されてきた感じはあります。

84点まであと3点。サガン鳥栖戦で達成なるか。そして過去の自分たちを超えられるか。そんな一戦のみどころを語っていきます。

ラインナップはこちらです。

■「色々とみんなアグレッシブにやってくれているので、ポジティブに捉えています」(鬼木監督)。注目は本職不在の左サイドバックの起用。指揮官はどう評価した?

■「順番はそっちですね。立ち位置ではなく、相手を見ながらどうサッカーをやれるか」(鬼木監督)。週明けの紅白戦のピッチで垣間見た、指揮官の改善策へのアプローチ。

■「プラス1」をどう作って、組み立てていくのか。そしてボールを運ぶ際、それ以上に大事なこととは?

「エドゥ(エドゥアルド)との対戦は楽しみだし、人間的にも素晴らしい選手。ただ彼の良さを知っている分、自分もチャンスもある」(小林悠)。「ああいう時間を作る選手じゃなかったですけど、あれができたのはフロンターレに来て成長できたところでもあります」(齋藤学)。前節のヒーローになり損ねたベテラン二人が誓ったゴールへの思い。

■「実はレベル高いからね。高等技術ですよ」(2015年)。レアなゴールパフォーマンスも披露。印象深い、アウェイサガン鳥栖戦でのあれこれ。(中村憲剛を回想するコラム)

以上、5つのポイントで約10000文字です。今週は紅白戦を含めたトレーニングも見学できたので、試合に向けたいくつかの狙いも読み取ることができました。その辺も読んでもらえたらと思います。

なお、前節のレビューはこちらです。→「ナンダカンダ」 (リーグ第31節・清水エスパルス戦:2-2)

では、スタート!

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