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「アカシ」 (リーグ第17節・鹿島アントラーズ戦:2-1)

等々力陸上競技場での鹿島アントラーズ戦は2対1で勝利。

試合は土壇場で小林悠が決める劇的展開で勝ち点3をもぎ取りました。

・・・いやはや、痺れました。ちょっと泣きそうになったよ。なんなんだよ、あの展開で出てきて、決勝弾を決めちゃうって。

来月に天皇杯があるとはいえ、この鹿島戦以降、次の等々力でのリーグ戦って9月まで開催がないんですよ(夏場は、ずっとアウェイゲームが続きます)。

なので、鬼木監督のJ1通算100勝をこの等々力で祝うには、この試合を逃すわけにはいかなかったのだけど、まさかこんなドラマティックな展開で祝うとは!!

 僕はサッカーライター業を生業にして、なんだかんだで15年以上やっています。年間で30〜40試合をスタジアムで見たとして計算すると、少なく見積もっても500試合以上はスタジアムの記者席からゲームを目撃していると思います。

 試合後、打ちのめされるような感覚というか、なかなか言葉が出てこない試合というものは、ごくたまにあるものです。多分、テレビ観戦とかDAZN観戦ならば、もう少し客観的になれるのだけど、現場に居合わせていると、いろんな感覚が吹っ飛ぶ瞬間があるんですよね。この日はそういう試合でした。

とはいえ、「興奮しました」で終わるゲームレビューを書いても仕方がないので、試合を見返しながら、ゲームのポイントをあれこれと語っております。

試合翌日、登里享平と長谷川竜也と鬼木監督がオンライン取材に応じてくれました。水曜日の横浜FC戦に向けた話とともに、前日の鹿島戦の振り返りもしてくれたので、疑問点なども少し聞きつつ、レビューをまとめております。

お品書きはこちらです。

■「サイドで優位性を作れるなと思っていた」(登里享平)。SBを釣り出して、スライドするCBをサイドに晒す。鹿島守備陣攻略のために、明確に描かれていた崩しのデザイン。

■「あいつも負けん気が強いので、一回止められたら、抜きにいきますから」(登里享平)。常本佳吾に止められた三笘薫の仕掛け。この誤算は、試合にどう影響したのか。左サイドの攻防戦を読み解く。

■「攻撃というよりは守備でリズムを作りたかった。相手の攻撃が明確だったので、そこを押さえながら攻撃でもパワーを落とさずにいける配置です」(鬼木監督)、「中盤を変化させた方が良いという判断で、システム変更が伝えられた。それがゲームの展開を左右したと思う」(シミッチ)。我慢の采配と4-2-3-1のシステム変更。100勝目を引き寄せた、指揮官の絶妙手。

■「ファー(サイド)に蹴ると、ピンポイントに合わないと得点にはならないので。知念も入っていたし、いつも知念とは練習しているので、真ん中らへんをめがけて蹴りました」(長谷川竜也)。仕掛けるだけがドリブラーの仕事じゃない。流れを読みながら緩急をつけた長谷川竜也の判断力と、巧妙だった決勝クロスの背景を探る。

■「こういう苦しい時に決めるのは自分だと思ってピッチに立てているのは、自分が今まで決めてきたゴールのおかげだと思っています」(小林悠)。苦しい時に自分を奮い立たせる師の教え。そして、自分が生きている証を刻むためのゴール。小林悠を支えてきているもの。

以上、5つのポイントで全部で約11000文字のボリュームです。後日取材も加えていますので、ぜひ読んでみてください!!

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第17節・鹿島アントラーズ戦)

では、スタート!

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