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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯準決勝・ブラウブリッツ秋田戦)

11月27日は等々力競技場でブラウブリッツ秋田戦です。

 記念すべき第100回の天皇杯ですね。J1王者の川崎フロンターレは準決勝から登場となりました。相手はJ3王者のブラウブリッツ秋田。カテゴリーが二つ下の相手になります。どうしても受けてしまう立場になるわけで、一般的には組みにくい相手ですね。

 そこをどう勝っていくのか。キャプテンの谷口彰悟は、この天皇杯に対する強い気持ちがあると言います。

「チームとして獲ったことのないタイトル。リーグ戦を優勝して、この大会に出る権利を得た。このタイトルを全力で取りに行きたい。あとは個人的なことになるが、2017年の元日に決勝で鹿島に負けたのは、僕の中では悔しい思いは残っています」

谷口が悔しい思いをした年、その天皇杯2回戦で対戦した相手が、奇しくも、ブラウブリッツ秋田でした。2016年9月、場所は等々力競技場です。試合は3-1で勝利しています。

 あれから4年。現在の谷口彰悟はキャプテンマークを巻いています。この大会の準決勝・大宮アルディージャ戦で決勝ゴールを決めたのは、他ならぬ谷口彰悟でした。自身のゴールで勝って決勝進出と行きたいところ。谷口彰悟が2冠目の奪取に力を込めます。

「今シーズンは複数タイトルを目標に掲げてきた。リーグをしっかり取って天皇杯に出る。このチャンスを生かしたい。何が何でも獲りたい気持ちがある。そういう気持ちで1週間準備できていた。決勝や優勝ばかりを考えずに、一戦必勝で目の前の秋田戦に全力を注いで必ず勝つ」

J1王者として負けは絶対に許されない一戦です。

では、試合の見どころを語っていきたいと思います。ラインナップはこちらです。

■「タイトルを獲ることが日常になり始めている中で、複数タイトルというのが自分たちが目指すべきものとして普通になってきている」(鬼木監督)。リーグ優勝後、若手の抜擢をせずにベストメンバーで戦い続けた指揮官。複数タイトル獲得に向けた想いと、登里享平不在で組む予想スタメンは?

■BB秋田との天皇杯での奇妙な巡り合わせ。2016年当時の主将・中村憲剛が示した印象的なキャプテンシー。

■「あまりこういう風にすると頭を固めないで、柔軟にできればいい」(谷口彰悟)。強度の高い秋田のプレッシングと、どう向き合うのか。重要なのは、「繋ぐかの、蹴るか」の選択ではない理由とは?

■「ストロングポイントにとらわれ過ぎずにやらないといけない」(鬼木監督)、「詳しくは言えないがイメージはあるので、そこを試合で実行していきたい」(脇坂泰斗)。ボールの「奪う場所」ではなく、「奪われる場所」を決めている秋田のサッカー。ポイントとなるセットプレーは、いかに防ぐかではなく、それを与えない発想で戦うべし。

以上、4つのポイントで全部で約8000文字です。試合前に読んでもらえると、試合の見どころがよくわかると思います。

なお、リーグ最終節のレビューはこちらです。中村憲剛の引退セレモニーの追記もしているので、読んでみてください。→「あの日の空と、僕らの未来」 (リーグ第34節・柏レイソル戦:3-2)

では、スタート!

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