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「全部だきしめて」 (リーグ第25節・京都サンガF.C.戦:3-1)

等々力陸上競技場での京都サンガF.C.戦は3-1で勝利。

これで前節の清水エスパルス戦と合わせて2連勝。一方、同時刻でキックオフしていた首位・横浜F・マリノスは最下位・ジュビロ磐田に敗戦し2連敗。

試合後、他会場の結果が表示されると、等々力は歓声に包まれました。

残り4試合で勝ち点差8となり、「王手」をかけられてましたが、残り2試合で勝ち点差2に変わりました。いつ諦めてもおかしくなかったような状況から、逆転優勝が現実的とも言える状態にまで追い上げていくことが出来ています。

よもや、よもやです。

しかし、残り2試合で横浜F・マリノスに2連勝されたら、こちらがどんなに頑張っても逆転が出来ないという厳しい状況にはなんら変わりありません。

選手たちもそのことをよくわかっているのでしょう。試合後のミックスゾーンで、勝ち点差2になったことに浮かれている選手はいませんでした。皆、こちらが頼もしさを感じるほど落ち着いています。

例えば山村和也に逆転優勝が見えてきたこの状況をどう感じているのかを尋ねてみると、「目の前の試合を大事に戦っていくことが最後につながると思う。まずは目の前の試合を大事にすることで結果がついてくれば良いかなと思う」と、実に冷静でした・・・まぁ、彼の場合は、どんな時も冷静なのですが。

 大事なのは、この次の試合を勝ち切ること。

きっとチーム全体がそういう雰囲気、空気感なのでしょう。
このクラブは、過去5シーズン連続でタイトルを獲り続けてきました。チームとしてそうした経験値がいかに大きいのか。タイトルを獲れなかった時代も取材してきただけに、その差がよくわかります・・・そんな試合後のミックスゾーンでもありました。

では試合を振り返っていきたいと思います。

■「最後まで出たのできつかったですが、自分としては嬉しい疲れです」(小林悠)。精力的にかけ続けた前線からのプレッシング。4試合連続得点ならずも、小林悠が充実感を口にした理由。そして試合前日に起きていたスタメン組の変更とは?

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