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「炎のファイター」 (Jリーグアジアチャレンジin タイ:北海道コンサドーレ札幌戦:3-3)

BGスタジアムでのコンサドーレ札幌戦は3-3で引き分け。

今シーズンの札幌戦のスコアは、ホームで5-2、アウェイで3-4。2試合連続で両チーム合計7ゴールが生まれていたのですが、このタイでの一戦も、予想に違わぬ打ち合いとなりました。今回は7ゴールとはならなかったものの、両チーム合わせて6ゴール生まれる結果に。現地で観戦していたタイのお客さんにも満足してもらえたのではないでしょうか。

それにしても、川崎フロンターレは1試合3得点が続きますね。これで第31節の札幌戦から7試合連続(リーグ5試合、親善試合2試合)で、毎試合3ゴール中です。4点でもなければ2点でもなく、ちょうど3点がこれだけ続くというのも、なかなか珍しいのではないでしょうか。

では試合を振り返っていきます。
まずフロンターレボールでのキックオフでゲームは始まりました。

センターサークルにいた知念慶が最終ラインまで下げると、ボールをを受けた山村和也が敵陣に向かってロングフィード。札幌の最終ラインがこれを処理し、中村桐耶と荒野拓馬の2人がビルドアップを開始していきます。

 すると次の瞬間、「待ってました!」と言わんばかりに、知念慶と五十嵐太陽の2人が猛烈な勢いで詰めていました。知念慶がうまく引っ掛けて、ペナルティエリア付近から豪快にシュート!

 わずかにゴールマウスは外れてしまったものの、開始わずか10秒で決定機が生まれました。知念慶は少し悔しそうに唇を噛み締めています。

知念としては、ボールホルダーの荒野拓馬に対してボランチに縦パスを出させるようなコースを作って引っ掛けた駆け引きの感覚に近かったのではないでしょうか。

実はこのやり方で、知念慶は今年ゴールを決めています。リーグ戦第2節の鹿島アントラーズ戦の先制点ですね。

 このときの鹿島戦に関していえば、ボランチのコースを切る普段のやり方とは少しだけ違い、あえてボランチにボールを出させるようなコースを作って奪いにいったと当時振り返っていました。つまり「罠を仕掛けた」というわけで、鹿島のセンターバック・関川郁万にその駆け引きでうまくはめたということです。

「相手のボランチ(のコース)を切りながら、センターバックにプレッシャーをかけるところは、チームで言われています。あの時は、あえてちょっとボランチの選手に出させるようなプレッシャーの掛け方をして、誘って奪った感じでした。あの角度の左足は自信を持っています。狙い通りのゴールだったかなと思います」(第2節戦後の知念慶)

 振り返ってみると、昨年までの知念は前線からのプレッシングがうまいタイプではありませんでした。レアンドロ・ダミアンや小林悠に比べると、鬼木監督が求めるようなポジショニングやコース切り、何よりボール狩りの迫力を出すことができていなかったのだと思います。

 例えば大分トリニータから期限付き移籍を終えて復帰した去年の2021シーズン、試合中の知念に対する鬼木監督からの熱血コーチングがスタジアムで響き、DAZN中継でも何度か話題になっていたほどです。

 ただ今年は、その守備が格段に良くなっているようにも感じました。本人が言うには去年からの積み重ねによるものだとのことでしたが、この試合の開始10秒で生まれた決定機は、それを感じる一幕でもありました。

 話をこのゲームに戻しましょう。

この場面でまず感じたのは、プレスに行った際の知念慶と五十嵐太陽の2人の距離が非常に近かったことです。

近かったことで中村桐耶と荒野拓馬の2人のパス交換に同数で圧力をかけられたわけですが、2人同時にあの距離感でアプローチに行っていたことに「ん?」というのがありました。

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