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「誰がいい、誰が悪いとかではなくて、一人一人が攻撃も守備も同じ方向を向いてやらないといけない」(中村憲剛)。等々力で沈黙し続けた結果が招いた連敗。それぞれが向き合うべきこととは?(リーグ第13節・FC東京戦:0-2)

 等々力競技場でのFC東京戦は0-2の敗戦。

 主力7人を入れ替えて臨む総力戦となりましたが、無得点での敗戦。2017年も2016年も経験しなかったリーグ戦の連敗を喫する結果となりました。

 FC東京のスタイルを考えると、川崎フロンターレとして避けなくてはいかない展開が「先制点を与えること」でした。しかし、開始15分でセットプレーから失点。その後、相手のやることは変わりませんが、こちらは前がかりに攻めなくてはいけない構図になります。そして、この構図を最後まで変えることができませんでした。FC東京からすれば「してやったり」の試合だったと思います。

 では、今回のレビューです。ラインナップはこちら。

1.「自分としてはドリブルする勇気をもっとやっていければと思う」(齋藤学)、「準備期間が短かかったので、このメンバーで落とし込むのは難しかったところもある」(田坂祐介)。機能性を欠いた前半のユニット。前線の選手が語る反省と改善点。

2.「相手は中を閉めてきたし、ラインも低めに設定してくるのはわかっていた」(田坂祐介)。脅威を与えられなかった、大外からのサイド攻撃。「左で作って右で仕留める」ことを効果的に使えなかった理由。

3.「そんなに(相手に)やられたという感覚はないが、2点取られているので。そこは負け犬の遠吠えにしかならない」(奈良竜樹)。FC東京の「ファストブレイク」を水際で食い止め続けたにもかかわらず、報われなかった守備陣。古巣相手の敗戦の悔しさを強く噛み締めていた奈良竜樹が、語ったこと。

4.「川崎がここまで9失点のうち6失点がセットプレーであることは分かっていましたし、今日はメンバーを大分シャッフルしてきていた」(長谷川健太監督)。太田宏介のキック精度と、高萩洋次郎のポジショニング・・・・セットプレーからの2失点は、なぜ起きたのか。

5.「自分たちと戦う相手はこういう守り方をしてくるチームが増えてくると思う。そこはイメージの共有とダイレクトプレーの精度を上げなければいけない」(小林悠)、「誰がいい、誰が悪いとかではなくて、一人一人が攻撃も守備も同じ方向を向いてやらないといけない」(中村憲剛)。最後まで決定打を打ち込めなかった攻撃陣。アタッキングサードでの崩しが噛み合わない原因はどこにあったのか。

以上、5つのポイントで冒頭部分も含めて全部で約8500文字となります。

 敗戦は、どの試合も悔しいものです。
それが多摩川クラシコとなれば、より一層ですが、その敗戦は、次に進むための教訓にしないといけません。この敗戦を選手たちは、どう受け止めて、前に進むのか。ミックスゾーンで取材していると、各選手の言葉からそれぞれの見解を読み解いていきます。

なお、プレビューはこちらです。➡️試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第13節・FC東京戦)

では、スタート!

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