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日々進化を遂げている「おだまき」の今を知る
"おだまき"ってなに?何語?
みなさんは"おだまき"ということばを聞いて何をイメージするだろうか?
石川県民以外はおそらく初めて目にすることばになるだろう
おだまきとは石川県の能登地方にある志雄(現 宝達志水町)という町で昔から各家庭で作られていた郷土餅菓子のことだ
おだまきの誕生に関する文献などは残っていないらしいが筆者がネットで調べた結果をお伝えする
かつて志雄町では糸の原料となる苧麻(ちょま)が多く生産され、子浦川沿いには多くの繊維工場が軒を連ねるほど盛んな産業だった(参考:宝達志水町公式サイト)
布を織るための使う中間材料として糸を束ねて玉状・環状にしたものを苧環(おだまき)と呼び、繊維業が盛んだった背景も加わって苧環の形に由来して「おだまき」という餅菓子が生まれたと考えられている
実はおだまきをよく見てみると皮には何本も線が引かれており、糸をイメージしている様子が伺える
志雄町で親しまれてきたおだまきは冠婚葬祭には欠かせないほど地域に根ざした郷土菓子として今も健在だ
バリエーションが豊富になった!!
2021年6月現在、おだまきは様々なバリエーションでお客様を楽しませている
①つぶあん:不動の人気No.1、箱で貰うとその場で小躍りするほど喜ばれる
②いちじく:宝達志水町の特産品であるいちじくのジャムと白あんを合わせてフルーティな味わいに仕上げた逸品
③よもぎ(つぶし餡):生地によもぎを練りこんだ、よもぎ好きによるよもぎ好きのためのよもぎ
④黒米・くるみ:独特の風味を持った黒米粉入りの紫色生地できざんだくるみ入りの味噌あんを包んだおだまき玄人が好む一品
⑤春夏秋冬シリーズ:期間限定商品、各々の季節をイメージさせるおだまきは御菓子司たにぐちの実力が発揮される注目の一品
⑥地域限定:一部地域、一部の販売店でしか取り扱いのないおだまき、つまり「レアまき」
おだまきは石川県内であれば入手するのはそう難しくないが、可能であれば御菓子司たにぐちさんに足を運んで買っていただきたい
ちなみに私は石川県に帰ることなくおだまきの入手に成功している
県外でもオンラインショップもしくは石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語 江戸本店」(東京都)で購入可能だ
私はアンテナショップで購入することをオススメする(理由は後述)
おだまきの王道!「つぶあん」「よもぎ」をいただく
アンテナショップでは冷凍されたおだまきが販売されている
おだまきは和菓子としては珍しく冷凍しても風味やもちもちの食感が損なわれない
さらには半解凍で涼を得ることもできるので夏場ならではの楽しみ方もある
今回は半解凍ではなく冷蔵庫でしっかりと解凍したいつものおだまきを堪能する
購入したのは「つぶあん」「よもぎ」そして「黒蜜きなこ」の3種類
30代ともなるとド定番の商品ほど食べたくなるが1球は変化球が欲しくなるのでこのような采配となっている
パッケージを外してわかるのだがつぶあんには赤と緑のラインが装飾されている
ネットで調べても理由が見つからない(公式サイトの「よくあるご質問」にも記載がない)ため由来は不明だが、この装飾は見た目にアクセントを生んで素晴らしい
もちろん最初にいただくのは王道のつぶあんだ
一口食べてみるとわかるのだがもちもちとした弾力のある皮が特徴的だ
実はこの皮は餅なのだが驚くほど歯切れがよく餅であることを感じさせない
この皮の秘訣は石川県産のコシヒカリから作られた“上新粉”を使用し、風味の良さともっちりとした食感を生んでいる
中のつぶあんも甘すぎないため、甘みを堪能しつつ食感でも楽しめる非常に満足度の高い一品に仕上がっている
一度は冷凍、そして解凍したにもかかわらず、あの食感を保てているのは驚愕の一言しか出ない
続いてはよもぎをいただく
先に宣言しておくが私はこのよもぎのおだまきが最も好きだ
噛むほど広がるよもぎの風味は「この皮に一体どれだけのよもぎを入れたんだ!?」と谷口製菓さんを褒め倒したくなるほどだ
中には白のおだまきに使われていたつぶあんではなく小豆がやや潰れた状態のつぶしあんを使用
よもぎを食べている時は鼻で呼吸をして鼻腔から幸せを感じてほしい
よもぎ愛好家のみなさん、おだまきのよもぎはマジで飛べるぞ
道の駅オリジナル「黒蜜きなこ」はまさしく"レアまき"
そして最後は黒蜜きな粉をいただく
皮はつぶあんやよもぎと比べると固さを感じさせるが噛み応えがあるため通常のおだまきより満足感が高い
食感の違いについては推測だが皮に米粉を使用していることが理由だろう(つぶあんやよもぎは上新粉)
皮にはきなこがまぶしてあり、黒糖を使用した黒蜜あんとの相性はまさしく勝利の方程式だ
こちらの黒蜜きなこ、実は道の駅「のと千里浜」が谷口製菓さんにお願いして作っていただいたオリジナル商品
前述した米粉は世界農業遺産「能登の里山里海」の地で肥料・農薬・除草剤・堆肥さえも使わず、自然の力を最大限利用して大切に育てた自然栽培のお米「羽咋米」を使用している
筆者がおだまきツイートをしたところ、のと千里浜公式アカウントさんから有益な情報を提供をいただき誠に感謝
オリジナル商品は今回ご紹介した黒蜜きなこ以外にも志賀ごまと宇治抹茶の計3種類を販売している
ちなみに谷口製菓さんの公式オンラインショップでは購入できないがのと千里浜のオンラインショップで購入可能だ
谷口製菓の基本情報
おだまきを製造・販売している谷口製菓有限会社
能登にお越しの際は直営店である御菓子司たにぐち本店でおだまきを味わっていただきたい
公式サイト:http://www.noto-odamaki.com/
オンラインショップ:https://odamaki.shop-pro.jp/
まとめ
おだまきは地元から愛される郷土菓子というポジションを確立している
しかし現状で満足せず新たな挑戦に臨む姿勢が好感を抱かせる
変えてはいけないものを理解しつつ変化を求めるおだまきは今後も地元で愛されることは間違いない
石川県に帰省した際は古今の変化を楽しみながらおだまきをいただこう
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