第50回 「グローバル経済圏」と「ローカル経済圏」

[2015年12月5日]

 今、「ローカル経済圏」という言葉が流行っております(私の周りだけかもしれませんが)。いろいろな論点、議論があり、それらすべてを話し出すととても本稿では収まらないのですが、一つ興味深いテーマが「グローバル経済圏とローカル経済圏では戦い方が違う」です。つまり、世界規模で展開するビジネスと、地域に密着したビジネスの間に優劣はなく、大事にすべきポイントが異なるので、考え方も戦い方も変わってくる」という話です。まったく当たり前の話です。

 銀行でいえばメガバンクと信用金庫、メーカーでいえばトヨタ自動車と町工場、飲食店でいえば、全国チェーンとこだわりの料理店、Webでいえば、Googleと「まいぷれ」(私の心の中ではライバルです)、一見、競合関係にありそうで、内実は全く違います。取るべき戦略から商売のポイントまで、まったく別ものです。

 そう頭ではわかっていても、グローバル経済圏の動向は華やかで、メディアでもたくさん取り上げられます。ニュース等でグローバル経済圏での成功事例を聞かされ続けるうちに、我々ローカル経済圏の人間も同じ方法で戦わなければと焦ったり、マネしてみたくなったりしてしまいます。

 弊社にもセミナーのご案内やコンサルティング各社からのDMが届きますが、多くが「グローバル経済圏の成功事例から学ぶ」ことを目的にしています。目指している方向が違うのに、参考になるわけありませんよね。例えば成長を何で計るか?という点において、グローバル経済圏が「規模の経済性」を追求するのに対し、ローカル経済圏で戦う我々は「密度の経済性」を追求すべきです。

 わざわざ国が地方創生と打ち出すまでもなく、ローカル経済圏は非常に重要で、かつ可能性のある分野です。その主人公である我々は、何が重要で何に価値があるのか、そしてどう利益を出していくのかをグローバル経済圏の人達に惑わされずに、確立していくべきだと改めて思っています。

(株)フューチャーリンクネットワーク

代表取締役 石井 丈晴

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