どんぞこ
丸亀の夜。
あちこちで呑んだけれど、まだちょっとだけ呑み足りない気分だなあ、とだいぶ夜もふけた通りをぶらぶらする。
交差点の向こうに「どんぞこ」という看板を発見。
この店名。
数々の文化人が愛したという新宿の老舗ダイニングバーと同名の店を見つけてしまったら、それはもう入ってみたくなりますよね。怖いもの見たさで。
正面のカウンター席が空いていないようだったので、壁際の隅っこにお邪魔すると、見るからにFunkyなマスターがこちらを向いて「彼はどうする?」と指をさすという、なんとも独特でFunkyなオーダーの取り方を。
とりあえずジントニックを頂くことにして、恐る恐る店内を見回すと、店外からの佇まいで想像していたイメージに反して、意外にもコレはオシャレな店だ。クールですよ。うん。
そこで呑んでる僕も今、実はクールなのではなかろうか。まるでヤングアメリカン。いやヤングでもないし、ましてやアメリカンでも無いが。
不意に、カウンター席に座っていた、不思議な帽子を被った年齢不詳の女性が、あなた、どちらからいらしたの?
とふり返って聞いてきたので、
はあ、徳島から来ました。と答える。
あら、都会からいらしたのかと思ったわ。パリとか。
と言うので、
なにゆえ???パリ???
と思ったが、面倒なので薄笑いでお茶を濁す。
丸亀怖い怖い。
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