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ビール定食

昼間はランチ、夜の営業は予約客のみ受け入れる、という市営市場の奥のお寿司屋さん。

気さくな大将がひとり、たまに息子さんが板場に入ることも。

お手伝いの女性がいないときは大将ワンオペ営業で、そういう日は準備中の札がかかったまま営業してたりする。

それを知らないと、今日はやってないんだなあと思って通り過ぎてしまうこともよくあるらしい。

ランチのメニューは寿司と海鮮丼。

単品で注文もできますが、定食にするとサラダと小鉢、茶碗蒸し、そしてお味噌汁など汁物が付いてくる。どう考えても定食がお得。

さて、カウンターのメニューを上から順番に眺めていると、一番下に不思議な一品が。

ビール定食?

これはなんですか?と聞くと、髭の大将がいたずらっぽい表情で、
「それにする?今日休み?昼から呑めるんならお得だよ」
というので、よくわからないまま、そのビール定食というのを注文してみる。

まずはオリオンドラフトが中ジョッキグラスで出てきます。

そこに海老や貝などのお刺身や茶碗蒸し、小鉢など。つまみとしてはかなり豪華だ。

塩辛をアテにビールを飲んでいると、

ドーンっと八貫の握りが登場。

これがこの値段で。

いやはや凄いですね。
と素直に驚きの感想を言うと

「そうだろ?だからビール二杯呑んでもらわないと儲け出ないさ」

というわけで追加の瓶ビールを。
オリオンドラフト。


2、3回通うと、「また来たの?」という笑顔で歓迎される。

当然のように「ビール定ね?」

次々に客の注文を捌きながら、目ざとくまだグラスにひとくち、ふたくち残っているのに
「おかわり?」(ニヤリ)
と、催促されてしまう。

しじみのお味噌汁はもう出してもいいですか?とお姐さんがいうのでお願いして、
塩辛で瓶ビールの最後の一口を呑んでいると、
「もういいの?ビール」と大将。

いや、でも塩辛なくなっちゃったんで。残ってたらもう一本頂くところですが。ははは。と冗談半分で言ってみたら

「おねえさん、こちらに塩辛サービスで出してあげて。ビールも追加で。お味噌汁はまだいいよ」

というわけで、昼間っから完全に酔っぱらってしまいました。

こうなると自動的に午後の予定は全部キャンセルだなあ。ふふふ、極楽極楽。

あとはもう
風を探して、昼寝!

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