一期一会シリーズ第三弾”Realize”

豊明一期一会シリーズ第三弾はブレンド酒です。

先だってリリースした第一弾と第二弾を黄金比率でブレンドし、味わいの一番まとまったところで火入れをしました。(ブレンド比率は内緒です。)

第一弾である「I Gnition」の爽やかな酸味と第二弾である「Nostalgia」の甘みと濃厚な味わいをマッチさせ、かつ火入れすることによって濃厚で熟したフルーツバスケットのような味わいを彷彿とさせます。

今回の商品コンセプトは「ブレンド」です。
ウイスキーなんかではよく”ブレンデット”という製品をよく見ます。数種類の個性異なるウイスキーを混ぜ合わせ、互いの長所をうまく引き出し、香味の豊かなウイスキーへ仕上げる手法です。単体でも美味しいものをさらに美味しいものへ昇華させるとても素敵な手法だと個人的には思っております。

あまり日本酒ではこのようなブレンデット商品を見かけたことがないな(僕が知らないだけor各社が情報を開示していないだけの可能性もありますが)と思い、自社でつくった個性のことなるお酒同士をブレンドすることによって、もっと新たな楽しみ方と無限の可能性が秘めているのではないかなと思い、商品化に至りました。

少し前までは「お酒は生(き)で飲むのが正しい」とされ、氷で割ることすら邪道でありタブーとされてきました。今でもお客様から「お酒は氷で割ったり、ソーダで割ったりしても良いんですか?」とご質問を受けることがしばしばあります。
私の回答としては、「お客様がご購入いただいたお酒ですから、どのように飲んでいただいても大丈夫です。」とお答えしております。
例えば純米酒に、ほんの数滴純米大吟醸を垂らすだけでも味わいが劇的に変わります。純米酒の濃厚な味わいに大吟醸のエレガントな風味が加わるからです。また、冷やして飲むのか、はたまた温めて飲むのか、飲む温度によっても大きく味わいは変化します。なので正直申し上げて、つくり手である僕たちも何が正解なのかわかりません。というか全て正解なのです!
つまり、結論としては氷で割ろうと、ソーダで割ろうと、ジュースで割ろうと、他社製品と混ぜようとも、何をされても構いません!捨てられるよりよっぽど嬉しいです!笑(あくまで私の考えで、そうではないとおっしゃる蔵元もいらっしゃいますが、私と同じような考えの蔵元も多くいらっしゃいます。)
もちろんそのままでも十分美味しい日本酒ですが、それぞれが思う
”一番美味しい、そして、一番楽しい”
と思う飲み方をぜひお客様自身で探すことも一興かと思います。

ただ、それでもなかなか実際にやってみるのは憚りますよね。
そこで、今回の一期一会はブレンドをするという行為の価値を表現する、実現するという意味を込め”Realize”と名付けました。蔵元が率先してブレンドをしちゃってます。なので皆様もぜひに!というわけです。


しかし!ブレンドという行為はとても難しいもので、単純に1+1=2にならないんですよね。甘みを足したいから甘い酒を混ぜたのに、かえって辛く感じるようになったり、香りを華やかにしたいから香りのあるもの同士を混ぜたら何にも香らなくなったり・・・本当に奥が深い。
うちでも今回のブレンドは幾度となく様々な割合を試しました!我々が思うベストの調合でリリースしております。

今回の”Realize”を通して、お客様自身の一期一会なお酒に出会ってもらえたら幸いです!どうぞ遊び倒してください!!

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