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農場HACCP取得

どうも、石原牛です。

ついに、弊社脇本農場が農場HACCPを取得いたしました

……

といっても、よくわからない方が多いと思います。

まずHACCPについてお話ししましょう。


・HACCPとは

食品の中に潜む危害(生物的、化学的あるいは物理的)要因(ハザード)を科学的に分析し、それが除去(あるいは安全な範囲まで低減)できる工程を、常時管理し記録する方法である。
by Wikipedia先生参照

…まぁ、よくわからないですよね。

さらに噛み砕いて申し上げますと、
「完全安全管理」
という表現が分かりやすかもしれません。

私も個人的に、HACCP認証協会が主催するHACCP責任者養成講座といものを受講し、HACCP責任者なるものを取得しております。
このHACCPというものの発祥は食品、さかのぼれば起源はNASAの宇宙食から始まったものです。
衛生面はもちろん、人間の口に入るということに対する危害を徹底的に洗い出し、分析し、排除し、その工程を明確にし、さらに記録すること。
これがHACCPを端的にまとめたものです。


・農場HACCPとは

農場HACCPとは、言葉通り、上記したものを農場に当てはめたものになります。
お肉の流れとしては、
農場 → 屠場 → 精肉店やスーパー → 消費者
という流れになります。

上で申し上げた通常のHACCPは、この流れの屠場・精肉店やスーパーに該当します。
だとしたら、農場にもあるべきだよね?
という考えから、近年農場HACCPの重要性が高まってきております。
最終の消費者の手に渡った時に、安全を担保できているかの証明になるのがHACCPなのです。
農場HACCPでもこの根本は変わりません。
弊社で言えば、導入から出荷するまでにどのようなエサをどのように与えたのか。
また治療の際にどのような薬品を使ったのか。
など、全て記録に残してあります。

・輸出での反応

農場HACCPの取得に対する利点は、国内よりもむしろ海外での反応の方が良いです。
弊社では輸出も行っておりますが、海外のHACCPの認識は日本よりもはるかに上です。
そして海外はブランドというよりも農場で判断します

海外営業で弊社社長が何か国か出向いておりますが、中間業者の話を聞くと、
「〇〇牛(地方ブランド牛)の〇〇農場さんの肉が欲しい」
というオーダーが少なくないそうです。
つまり、外国の方が舌が肥えているのです。

前の記事でも書きましたが、地方ブランド牛も生産者によって味が異なります。
それは、育て方やエサを指定していないブランドが多いからです。
指定しているブラント牛もありますが、育った環境が違えば味も変わります。
あまりいい例えではないかもしれませんが
生き別れになった双子の兄弟が、異なった環境で育てば、同じように成長するというのはかなり難しい話だと思います。
牛さんたちも、エサは同じでも、育った環境(農場)が変われば違った育ち方になるのは然るべきだと考えます

・取得までの苦労

農場HACCPを取得したことによって、海外での営業もかけやすくなりました。
この取得にあたっては、コンサルの方に入って頂きました。
期間は11カ月程度。審査に向け、脇本農場一丸となって取り組んできました。

まず行ったのは農場の整理整頓です。
物の置場を明確にし、表記を付けるよう指導されました。
掃除は毎日欠かしませんが、その記録を取るように指導されました。
上にも書きましたが、誰がどのようにやったのかを記録するよう指導されました。
とにかく行ったことに対しての記録を取るのです。
これは体に染み込ませるまで、かなり時間がかかりました。
農場スタッフのみなさんには非常に頑張って頂きました。
感謝です。

そしてマニュアル作りです。
弊社で言えば、「石原牛」を作るために、
導入から出荷までどういったことを行うのかを文書化する。
言葉でまとめると簡単ですが、A4用紙で5cm以上の厚さのマニュアルが完成しました。

・取得して終わりじゃない

HACCPは認証を受けて終わりではありません。
これを継続することが求められます。
一年ごとにまた審査を受けます。
受け続けます。
そして、もちろんタダではありません。
安くもありません。
しかし、これからの時代絶対に必要です。

そのうち、無いと取引が難航するときが来るかもしれません。
農場HACCPを持っていない農場の方が珍しくなる。
そんな時代が来るかもしれませんね。




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