イノベーションのジレンマを読んで、最近のニュースと紐づけ、言葉でなく心で理解できた

いつかいつかと思いつつ放置していた本の1つでしたが、中島聡さんがお薦めしていたのを聞いて今こそ読むタイミングだと思って購入。さっきミスドで3時間長居させてもらって読んできました。

この本の出版年を見ると初版は2001年。私が小学5年生のときに書かれた本なんですね。なので登場する企業に日本企業、トヨタのCORONA(車名の方)、ホンダのオートバイ、小松製作所・日立建機の油圧式、ソニーの携帯ラジオ,テレビ、などなどがいっぱい出てきます(”なので”というのはちょっと寂しいですが)。書いていることは古臭くなく今でもいろんな企業が考え方を取り入れているような方法ばかり。読んだタイミングとして、社会人9年目の今というのも良かった。入社したての頃だと読んでもあんまりピンとこなかったでしょう。自分がそこそこ年数を重ねて、なるほど、あの会社のあの人がやっていることはこの理論に則っているのね、というのがバシバシ書いてあって気持ちよく読めた。正確には、中島聡さんの書いたものを最近読んだり聞いたりしているんだけれど、「イノベーションのジレンマ」に陥らない方法について仰っていたんだなと、点と点が繋がった気持ちよさを感じた。

点と点が繋がった気持ちよさを感じた1点目。ソニーとホンダの合弁会社設立の論理ができたこと。本の中では、破壊的技術と向き合うための方法は、主流の組織とは別の組織をつくることで、それは小さな組織でかつプロセス・価値基準が異なる組織でかつ新しい市場を開拓する組織であること、という風に述べられている。p145

会見でも新しい価値を提供する・概念を変えるという発言もありますね。合弁会社がホンダ本体を気にせずガンガンやる全く違う価値基準・カルチャーを持つ会社であれば、イノベーションを起こす条件の組織にはなれそう。

もう1つ。テスラがディーラーを持たないことがプラスである理由が自分の中で繋がったこと。本の中で、ホンダが小型バイク市場に参入できてハーレー・ダビッドソンが小型バイク市場に参入できなかった理由が明確に書いてあります。

「ハーレー・ダビッドソンの小型バイク計画が失敗した最大の理由は、ディーラーが拒否したからである。」p288

なるほど。イノベーションを拒否する意思決定が販売チャネル側にもあるのか。これは電気自動車も一緒の論理があるとすると、ディーラーを持たないテスラは有利になる。

ここ数年読んだ本の中で一番びりびりきました。
言葉でなく心で理解できた。ありがとうクリステンセンの兄貴。


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