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サラスワティ・プジャに、音楽の贈り物を。(インド修行の思い出)

サラスワティプジャについて

サラスワティは芸術と学問の神様で、
そして美しい女性神なので、とても人気があります。
日本でも、弁財天のルーツということで有名ですね。

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ヒンドゥー教は多神教で、地域や家庭、職業によってそれぞれ一番に崇拝する神様が違っていたりします。
Puja(「プージャ」、ベンガルだとほぼ伸ばさず「プジャ」。祭祀、神事、祈り)の日も神様ごとに設定されていますが、音楽家の家はなんといってもサラスワティがメインの神様ですので、サラスワティ・プジャは特に盛大にやります。

ほとんどのプジャの日程はヒンドゥー歴によるため、西洋カレンダー上では毎年変わります。2017年のサラスワティ・プジャは早めの2月1日でした。
1月後半から2月前半にかけての新月、つまり春節・旧正月の日から5日目です。

そのため、サラスワティ・プジャは、' Vasant Panchami '(ヴァサント・パンチャミ)とも言われ、春を祝う日でもあります。
テーマカラーはイエロー。
この時期になると、鮮やかな黄色いサリーの人が増え、あちらこちらで花が咲き始めるようです。
 

師匠の家でのサラスワティプジャの1日をご紹介。

当日は、朝いちでシャワーを浴びて体を清めて、、、
8時半グルジの家に集合、プジャの準備!
女子は、プラサード(捧げもの)のフルーツを洗って、カットして、並べて、花を飾って、プジャに使う道具を一式準備します。

大理石のサラスワティ像が常に鎮座しているレッスンルームで行います。

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そうこうしているうちに出席者も集まり、お坊さん(タクルモシャイ)がやって来て、プジャが始まります。
お経を唱えます。
歌がめちゃくちゃうまいお坊さんのお経を聞くと、ああ「インド古典音楽のルーツはヴェーダの詠唱です」というのはこれのことか、と思います。棒読みに近いお坊さんでも、忠実な音階で唱えているのは感じられます。

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お供え物を用意します。フルーツ、野菜、ミシュティ(お菓子)、米、ミルク、ヨーグルト、ギー、蜂蜜、油、、、

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シャンク(ホラ貝)を吹いて、神様を呼びます。これも女性の役割のようです。

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サラスワティ像の横には、タブラ・ハルモニウム・ボルの書かれたノートなどをセットしておくのですが、そこに祈祷済みの花や水が撒かれて祝福されます。
 

Arati(アラティー)という、火を使う儀式が始まります。
火のお盆が回ってくるので、手ですくって焰を浴びます。

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儀式のあと。

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プラサードのお裾分けをいただきます。

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プジャの後には、一度全員部屋の外に出されます。
別の部屋で、みんなで並んで座ってランチをいただきます。

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サラスワティ・プジャの2daysは完全菜食です。
イエローなキチュリがメインのメニューです。

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4~50人くらい集まるため、一度に全員で食べるのは無理で、3交代制くらいで、食べ終わった人がまだの人にサーブしてあげます。兄弟子にサーブしていただいて、ありがたや。

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ちなみにグルジ御用達ケータリング店からのデリバリー☆
ドーンと大鍋で届きます。

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そのあとは、、、お昼寝タイムですね。一度帰宅する人もいれば、そのまま残ってのんびり過ごす人もいたり。
私も、近所のグルバイ宅で奥様方たちとおしゃべり&昼寝してました。


そして夕方から、もう一度集まって、今度は音楽プログラム。
生徒達が次々に神様に音楽を捧げます。

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私も、毎年タブラを叩いたり歌ったりさせていただいています。この年はラビンドラサンギートなどを歌いました。

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夜10時も回り、子どもたちと父兄が帰り、みんなもそろそろ、、と腰を上げた頃、最後はいつも、グルジとグルマの演奏が始まります。
最後まで残っていた人の特権ですね。

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みんなが神様のために歌ったり演奏したりするおこぼれを横から聴いている状態なので、この日は、とても満たされた気持ちになります。

家によっても多少違いがあると思いますが、グルジの家でのサラスワティ・プジャの様子をレポートしました。
実はさらに、プジャ2日目のイベントに続くので、それはまた次回、ご紹介できればと思います。


※インド滞在中に書いた下記↓2017年のブログを、リライトしました。

http://ishiorin.blog24.fc2.com/blog-entry-235.html


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