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頭で理解するか?体で理解するか? - - インド音楽のキメ、「ティハイ」について

3度のメシより、Tihai ! Tihai ! Tihai !
インド音楽の演奏家は、「ティハイ」を考えはじめたら朝であれ夜であれとまらない。

「ティハイ」は、インド音楽のリズムテクニックとして欠かせないものだ。

前回は、とりあえず感覚的に伝えたいと思い、「さくらさくら」の最後を「ティハイ化」してみた。
「サム」(1拍目)の重要性と「ティハイ」の目的や構造について、私なりに書いてみたので、先にお目通しいただければうれしい。


「ティハイ」の構造

さて、今回は、「ティハイ」の構造をもう少し頭で理解できるように書いてみたいと思う。

ここでは「サムからはじまって、サムに終わるティハイ」ということにする。(※ ティハイは、サムからはじまってサムで終わる形をとる必要はないのだが、まずはそのベーシックな形で考えていく)

もし数式的に書くならば、

拍子数×z周 + 1 =  x + y + x + y +x
x:1まとまりのフレーズ
y:休符

このようになる。
前項にある「+1 」は、「サム」(1拍目。リズムサイクルで次の周期の頭)の分である。

一番シンプルなのは、前回にも書いた、5拍分のフレーズを3回繰り返し、間に1拍の休符を入れる形だ。
16(拍子)+1(サム) =  5 + 1 + 5 + 1 + 5 

そして、5拍分のフレーズの最後の1拍は強調されなければならない。
そのフレーズの3回目の最後の1拍はサムになるだからだ。
最後の1拍を例えば「Dha」とすると、
16 + Dha  =  (4+Dha) + 1 + (4+Dha) + 1 + (4+Dha)  

このようになる。

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もうひとパターン紹介すると、
16拍子を2周する間に、11拍のフレーズを3回繰り返す、下記の形のティハイも、よく使われる。
16 × 2 + Dha  = (10+Dha)+ 0 (10+Dha) 0 (10+Dha) 


さて、5月某日のヌーベルミューズのラジオ番組では、「ティハイ」が多用されているヌーベルミューズの楽曲を例として取り上げながら解説した。それをここでも紹介しておこうと思ったら、noteは本文中への音声ファイルの埋め込みができなそうなので、自身のBLOGの方で紹介しておくことにした。

どんな種類のティハイをやっているか、というのを、音源の切り取りとともに紹介している。

http://ishiorin.blog24.fc2.com/blog-entry-426.html

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「Raga Yaman」以外は、井上憲司氏による作曲。演奏は楽譜にそって行われている。インド音楽の演奏で一般的に用いられるティハイ形式が、オリジナル曲の中に見事に取り入れられてると思う。

ティハイ作りは楽しい。
ティハイ作りを始めたら、よいアイデアが浮かぶまで、とまらなくなるのである。

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インド・リズム・サークル「タールマンダリー」を開催しています。こういったインドのリズム感覚、カウンティング方法、ティハイについてなどを体感しながら、学んでいます。



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